人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
前回は、どういう努力をしているか、
そのやり方を学ぶことがとても大切。
努力すれば何とかなる、わけではなく
努力の方向性を学ぶのですよ、
という話をしました。
その人にとって必要なことは、
人それぞれです。
この人にとって必要だから
と決めるのは、他人の人生に介入して
いることになります。
「君のためを思って言っているんだ。」
というお説教が一番ウザいのです。
相手がウザいと思っていることを
すすめる人は必ずこのロジックで
人の人生に介入しようとします。
わかりやすい表現をするなら、
会社は鉄棒で逆上がりのできない人を
逆上がりができるようにはしません。
逆上がりのできる人を連れてくるだけです。
逆上がりのできない人が、
無理やり練習させられて、
逆上がりができるようになっても
鉄棒そのものが嫌いだったら、
もっとつらい人生になります。
なぜなら自分に向いていないことを
し続けることになるからです。
「逆上がりができないんです。
できるように練習した方がいいですか?」
という人は練習なんかしなくていいのです。
そんなものは通用しません。
「英語を勉強した方がいいでしょうか?
でも気が進まないんです。」
というくらいなら勉強しなくていいのです。
英語のできる人に仕事は回ります。
英語の勉強に気が進まない人は
英語が必要な仕事からは外される
のです。
好きでもないのに英語をがんばってる。
延々と英語の仕事をさせられます。
それを第三者が決めてはいけないのです。
この人のために、どうして自分は何回も
同じことを言わなくちゃいけないんだよ。
気が進まないと感じることは、
自分のストレスにもなります。
自分自身だけではなく
相手にもマイナスの連鎖が起こります。
誰もハッピーになっていません。
あなたの将来のためだから、
と他人の人生を決めてしまうようなことは
しなくていいのです。
やらなくていいか、と感じたら
気が進むやり方に改善することです。
しくみで改善するか、
その仕事から外すのです。
組織は動いています。
いやいややっている人に
仕事は回ってきません。
仕事は好きでがんばっている人にしか
来ないものなのです。
(了)
援護を援護するこのコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
第34回 上司がいなくてもまわる職場をつくろう
第35回 トラブルやアクシデントに感謝しよう
第36回 それは考えなくていいと言える人になろう
第37回 立ち直れる人と立ち直れない人の違いを知ろう
第38回 がんばればできることを増やして伸びる人になろう
第39回 がんばればできることを増やして伸びる人になろう
第40回 うまくいかない時にたった1つのピースを探せる人になろう
第41回 偶然を活かせる人になろう
第42回 単なる二者択一ではなく自分の生き方を見つめ直そう
第43回 職業が何であるかよりもプロであるかを大事にしよう
第44回 プロであれば1分間を大事にしよう
第45回 面倒くさいなぁと感じることは止める人になろう
第46回 努力のやり方がわかっている人になろう
第47回 努力には方向性があることを知ろう
第48回 小さな仕事なんて1つもないことを知ろう
第49回 時間軸10年で人生を見てみよう
第50回 夢よりも、ビジョンを持とう
第51回 何のために?と言うのはやめよう
第52回 問題意識に目覚めよう
第53回 わずかな違いが圧倒的な違いになることを知ろう
第54回 〇〇〇ほどおもしろい仕事はない!と言い切れる人になろう
第55回 プロ野球選手がバッターボックスに入る前のウェイティングサークルに注目する人になろう
自衛官の大半が若年定年制では50歳代半ば、任期制自衛官の多くが20~30歳代半ばで退職します。
防衛日報デジタルでは「募集と援護」を「入口と出口」と称し、地本・部隊の日々の活動を伝えてまいりました。
このコラムでは「出口」、つまり退職後の援護業務に着目し、防衛日報社としても自衛官の再就職を「援護」していきたいと考え、石塚氏とともに『援護を援護する』という企画を立ちあげました。みなさまに少しでも「援護」を知っていただけたら幸いです。
筆者プロフィール
石塚 毅(いしづか たけし)
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞をはじめ表彰多数。人事採用のプロ。
これまで7000社の採用支援、2万人以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を持つ。