人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
前回は、マニュアル通りの細かな説明をしても
人の心は動かない、本気で熱を伝えるとその
熱は必ず職場に伝染し、やがてお客様にも
その熱が伝わりますよ、という話をしました。
人はいきなり辞めたりしません。
上司や同僚とコミュニケーションが取れなく
なったら、社員は「やっぱりやめようかな」
と思うのものなのです。ここではじめて
「なんで辞めるの?」と気づきます。
「退職意思」を伝えられてからコミュニケーション
を取ろうとします。
普段コミュニケーションをとっていないから、
「なんで辞めるんだ?」と上司の人が訊いても
部下は本当の理由なんか言いません。
「一身上の都合です」とわかりやすい理由を
つけます。
本当はやめる必要はない社員を辞めさせて
しまうのは職場にいいコミュニケーションが
なかったからです。
コミュニケーションはサッカーに喩えるなら
パスです。パスはどんどん回していかなければ
なりません。
ボールを持ちすぎていてはボールを取られます。
1人でサッカーはできません。1人で離れた
ところからやみくもにロングシュートを打って
もダメ。パスをいかに多く回せるか、これが
コミュニケーション力です。
受け取ったら素早くパスして、パス回しを多く
していきます。もちろん会議を多くすることが
コミュニケーションを増やすことではありません。
サッカーの試合でいうならば勝っている試合で
時間稼ぎに自陣でパスを回している状態。
これがよくある会議です。
時間稼ぎのためのパスまわしの会議を
やってはいけません。
報告・連絡・相談を思わずしたくなるような
コミュニケーションを普段からやることです。
もしもあなたが相談に乗るのが好きで、
アドバイスもしたいと考えているとします。
ところが、誰も何も言ってこない。
なんだか寂しいな、やりがいがないなと
思うかもしれません。
でも実はこれ、自分に相談する力がない
からです。相談する側は必ず相手を選びます。
相談しても仕方がないと思う人、
相談しにくい人には部下は相談しないです。
一流の人になるためには、相談される力が
必要です。これがコミュニケーション力です。
普段どれぐらい相手の話が聞けているか
ということでもあります。
熱を伝えるということは一方的に喋るの
でありません。相手のことを聞いて、
共感というベースがあって初めて
伝える・伝わるルートが生まれてくるのです。
(了)
援護を援護するこのコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
第1回 人生時計を見てみよう
第2回 自分の中に青い鳥をみつけよう
第3回 家族や職域の人とは違う人と会話をしてみよう
第4回 自分の自慢の仕事話してみよう
第5回 自分の意外な強みを発見しよう
第6回 ものごとを頼みたくなる人になろう
第7回 基準があいまいなものにこそチャンスがあると考えよう
第8回 組織の成長が速くなるキーパーソンになろう
第9回 聖域をつくらない人になろう
第10回 腕、ナンバー2大事にする人になろう
第11回 リスクを取って変化を創り出せる人になろう
第12回 相手の欠点を包み込む人になろう
第13回 役職や年齢では人はついていかないことを知ろう
第14回 勉強量で負けない人になろう
第15回 まず1人から組織を変える人になろう
第16回 運動量の多い人になろう
第17回 担当じゃありませんという言葉を禁句にしよう
第18回 マニュアルよりも熱が伝わる人になろう
第20回 相談されやすい人になろう
筆者プロフィール
石塚 毅(いしづか たけし)
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞をはじめ表彰多数。人事採用のプロ。
これまで7000社の採用支援、2万人以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を持つ。