人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
自分の自慢の仕事を話せといっても
「話せるような自慢の仕事なんかないよ」
という方も多いかもしれませんよね。
自分の強みってほとんどの場合、実は意外
なところにあるものです。
言い換えれば、企業の社長が評価する
ところはまったく別のところにあることが多い
と考えてください。
意外に思われるかもしれませんが再就職
をする人材に求められるのは
「雑用力」です。
私は「雑用の先には必ずいいことが
ありますよ」と言っています。
普通、民間企業の社員で雑用を率先
して行う人はいません。
もしあなたが率先して雑用を行える人だ
ということが社長さんに伝わったとしたら
すぐに高評価されるでしょう。
おそらく社長はこう考えるのです。
「他の社員は雑用なんかしない。でもこう
いうタイプの社員が1人加わってくれたら
次第に他の社員もそういった雑用を進んで
やるようになるだろうな。これは大きいな」
これは他の社員にとっても驚きです。
率先して雑用をやる社員など普通は
いません。
しかし組織とは不思議なもので、それを
やり始める人がいると他の社員もやるように
なるものです。
ここで重要なのは人が右と言ったら、何が
あっても右をやる、ことができる人材だと
いうこと。
逆らわず、文句も言わず、ひたすらにやる。
不思議なことに実は、これは誰もやりません。
ほとんどの人は必ず反抗します。
「なぜ私がそんなことをしなければならないの
ですか!」と。
雑用のように人が最もやりたくないと思う
ことを頼んでくるということは、相手はこの人は
頼んだことは必ずやってくれると考えている
ということなのです。
逆に、人は断りそうな人には頼まない。
頼みごとをされたらそれだけ信頼される、と
考えるべきなのです。
みなさんはそういう訓練や教育を圧倒的に
受けて来られました。
つまり再就職先の社長から高く評価される
可能性が極めて高い「自慢の仕事」を、
たくさんお持ちである、ということなのです。
だから雑用の先に必ずいいことがある。
ここをわかっていないから人間関係がうまく
築けないことが多いのです。
自分の評価は他者が決める、のです。
あなたには自分では気づいていない高い能力
や経験がたくさんあるはずなのです。
(了)
援護を援護するこのコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
-第1回 人生時計を見てみよう-
-第2回 自分の中に青い鳥をみつけよう-
-第3回 家族や職域の人とは違う人と会話をしてみよう-
-第4回 自分の自慢の仕事話してみよう-
-第6回 ものごとを頼みたくなる人になろう-
筆者プロフィール
石塚 毅(いしづか たけし)
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞をはじめ表彰多数。人事採用のプロ。
これまで7000社の採用支援、2万人以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を持つ。