人事採用のプロが教える。国防人のための「使える」キャリアコラム
自衛隊のみなさま、日々国防の仕事に
従事くださり本当にありがとうございます。
心から感謝いたします。
前回は、キャリアはいくら積んでも
成功には結びつかない。自分の強みを
さらに強くすることこそキャリアを極めると
いうことですよ、という話をしました。
社会人も10年過ぎると
「これまでどういう仕事のやり方
をしてきたか」
が短時間でわかるようになります。
「キャリア」というと「こういう仕事をして
きました」と答えがちですが
「どういう仕事のやり方をしてきたか」
が実は一番見られています。
例えばたった5行のメールを読むだけで、
報告を聴くだけで、
企画書・提案書を見るだけで
「この人がこれまでどういう仕事の
やり方をしてきたか」
がよくわかります。
大切なのは「仕事」ではなく
「仕事のやり方」なのです。
「どういう仕事をしたか」ばかりに
目を向けていると
「どういう仕事のやり方をしてきたか」
という反省ができなくなってしまいます。
「仕事のやり方」をレベルアップせずに
「仕事」だけをレベルアップしたとしても
キャリアをレベルアップしたことには
なりません。
「どういう仕事のやり方をしてきたか」は
「どういう仕事をしてきたか」より
はるかに気づきにくいのです。
仕事のやり方を振り返る習慣を
持っていないと、
あっという間に仕事がいいかげんに
なっていきます。
そしてそのことに本人が気づかない。
気づいているのは周囲の人たちです。
でも、教えてなんかくれません。
自分で気づけるとしたら
「自分の仕事を誰もほめてくれないが
いいんだろうか」と少し不安になるとき
でしょう。
うまくいっているときよりも
なかなかうまくいかないときにこそ
その人がどういう仕事のやり方を
しているかがわかるのです。
(了)
「援護を援護する」このコラムはいつか訪れる
定年後のセカンドキャリアに活かせて、
「使える」再就職・キャリアのポイントを
毎回わかりやすく解説します。
毎週月曜日掲載です。
第59回 あいさつを交わせる人を1日1人ずつ増やす人になろう
第60回 尊敬する人の考え方をマネする人になろう
第61回 良いことがあった人によかったね!と言える人になろう
第62回 小さなことでも自分で決める、選択する人になろう
第63回 余計なものは捨てられる人になろう
第64回 欲しいものは注文して手に入れる人になろう
第65回 2時間集中できる能力を持っている人になろう
第66回 実行する前から予防線を用意しない人になろう
第67回 断られたら自分の熱意が試されていると考える人になろう
第68回 イヤな人を自分の鏡にできる人になろう
第69回 失敗しても納得できる人生を送れる人になろう
第70回 昔からよく知っている他人にあいさつできる人になろう
第71回 謝られる達人になってチャンスをたくさんつくろう
第72回 自分ができないことを先天的な要素で言い訳しない人になろう
第73回 軽いフットワークでスピード感のある人になろう
第74回 思い込みを時には捨てて自分で実際にやってみよう
第75回 イライラしている時にイライラを人にぶつけない人になろう
第76回 イライラした気持ちをちょっとしたことで変換できる人になろう
第77回 気持ちの良い失敗ができる人になろう
第78回 電話を切る時に気を遣える人になろう
第79回 めんどうくさくてつまらない手仕事を1つはやっている人になろう
第80回 人生をヒッチハイクのように生きる人になろう
第81回 キャリアを極める人になろう
自衛官の大半が若年定年制では50歳代半ば、任期制自衛官の多くが20~30歳代半ばで退職します。
防衛日報デジタルでは「募集と援護」を「入口と出口」と称し、地本・部隊の日々の活動を伝えてまいりました。
このコラムでは「出口」、つまり退職後の援護業務に着目し、防衛日報社としても自衛官の再就職を「援護」していきたいと考え、石塚氏とともに『援護を援護する』という企画を立ちあげました。みなさまに少しでも「援護」を知っていただけたら幸いです。
筆者プロフィール
石塚 毅(いしづか たけし)
1970年新潟県出身。
前職のリクルートでは年間MVP受賞をはじめ表彰多数。人事採用のプロ。
これまで7000社の採用支援、2万人以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を持つ。