「援護を援護する」、このコラムはいつか訪れる定年後のセカンドキャリアに活かせて、「使える」再就職・キャリアのポイントを毎回わかりやすく解説することをコンセプトに、2023年5月に開始し、83回目を迎えました。

 自衛官の大半が若年定年制では50歳代半ば、任期制自衛官の多くが20~30歳代半ばで退職し、最就職へと進みます。自衛隊では再就職のサポート業務を「援護」といい、その援護を援護したいと初めたこのコラムですが、編集担当である私自身、毎回ドキッとしたり、「わかるわかる」と心で唱えながら編集作業に当たっています。
 そこで、特に心に残った第9回「聖域をつくらない人になろう」を元に、全84回の中からカスタマイズし、組み立て、まとめてみました。聖域をこわすために、また、作らないためにはどうすればいいのか...共感するしない、それぞれあって正解ですので、今の自分自身に当てはめてご覧ください。

「聖域」なんてこわしてしまおう

第9回 聖域をつくらない人になろう

 「聖域」を感じた事はありますか?再就職に限らず、部署移動や部署内の島型デスクの移動など、新しい環境になった時、独特な空気を感じたことはありませんか?社長や責任者でもない人が責任者風を吹かせ、自分の認めた人間にしか空間に入らせない。そのほかの人間に至っては、些細な打ち合わせなどにも入らせない、あの空間のことです。
 聖域があるところは、だいたい風通しが悪く、業務効率、業務成績が悪い。聖域があっていいことはありません。ずっとその環境にいる人は慣れてしまい聖域を受け入れてしまいます。その逆もあり、聖域を受け入れるために自分を押しころすことも...もしあなたが「自分がその聖域をこわす!」と一歩踏み出せるようなら、次へお進みください。

 聖域を壊したい!と思ったら・・・

第15回 まず1人から組織を変える人になろう

 自分がその聖域をこわす!とは言ったものの、やっぱり一人は厳しい。そんな時は、やる気のあるメンバーを見つけることから始めてみてください。
 (原文より)賛同してくれる人が所属の中に必ず1人はいます。この賛同してくれる1人とまず始めることです。そこから次の何かが生まれます。全員と一気に始める必要はないのです。とあります。そこで必要になるのが“観察力”。今まであなたが培ってきた観察力で、始める一人を選びましょう。――

 一緒に戦う同志を見つけるには・・・

第22回 前向きでプラスの空気をつくる人になろう

 (原文より)マイナス思考で元気のない社員と接触すると風邪をひいたときの悪寒のようなだるい感じをもらう可能性があります。それは人からもらうこともあるし、自分が人にうつすこともあるのです。――
 まずは、自分がマイナス思考をうつす側にならぬよう、常に前向きでいること。かなりの精神力が必要となりますが、やりたいこと、やらなければいけないこと、つまり目標がはっきりしているあなたなら、きっと前向きな空気をまいプラス思考に考える事ができていることでしょう。

 でもやっぱり難しいことだってある。つまずいた時にやってはいけない事、それは・・・

第30回 環境の悪口を言わない人になろう

 「この会社の体質だから」「人がいないし」...人はどうしてもうまくいかなくなると、環境のせいにしがちです。そうすることが楽だから。でも、世の中理不尽で思いとおりにはならないものです。
 何かにつまづいたら、環境のせいにせずうまくできない理由を考えて、今の自分に何ができるか、何が足りないのか、立ち止まって自分を見つめなおすチャンスと思ってください。
 できない理由を環境のせいにした瞬間、せっかくあなたに同調してついてきてくれた同志たちも、冷めてしまい、離れて行ってしまうかもしれません。

 できないことが増えてくると、つい環境のせいにしてしまいがちですが、ちょっと待って!

第39回 がんばればできることを増やして伸びる人になろう

 

 本当にそのできないことは環境が原因ですか?少し、ほんの少しがんばってみたら実は乗り越えられたりしませんか?最初から100%出来なくてもいい。1%が10%に、10%が30%に、30%まで来るといきなり70%、あれ?できちゃった。みたいなことありませんか?
 (本文より抜粋)「できる・できない・がんばればできる」常にこの3つがあり、人間だから絶対にできないことがあります。これを追いかけても時間をムダにするだけ。重要なのは「できない」と「がんばればできる」の見極めです。この見極めで、「がんばればできる」がわかった時、それはあなたの伸びしろです。

 自分の伸びしろに気付いたら、気持ちが軽くなったはず。その気持ちを今度は伝染させましょう!

第61回 良いことがあった人によかったね!と言える人になろう

 良いことがあった人に、「よかったね!」と一緒に喜んであげられてますか?「私のことをまるで自分のことのように喜んでくれるなんて」と相手はきっと感激するはず。その喜びが、その人の活力になり、業務効率が上がり、きっとその人は他の人にも同じことをするでしょう。喜びの共有はいいことづくめです。いい流れができますよ。いいことを伝染させて広げていきましょう。
 
 ここまで来ると、あなたのまわりには同志と呼べるメンバーが増えていると思われます。「聖域をこわす」をテーマにここまで来ましたが、何かを変えたいと思うなら、まずは動くこと。勇気を出して一歩を踏み出してみてください。見てくれてる人は必ずいますから。
 

<編集担当より>

 今回の総集編では、お気に入りをピックアップするだけのつもりでした。しかし、編集を進めていくと、これを叶えるためにはこの回とこの回を実行して。この回とこの回を組み合わせることでアレが叶うなぁ、と思いはじめ、個人的に思い入れのある「第9回 聖域をつくらない人になろう」を題材に全83回の中から回を組み立てて編集してみました。

 そもそも、自衛官の再就職にどうしてこのコラムなのか、疑問に思う方もいるかもしれません。それは、自分自身の可能性に気付いてほしいのです。このコラムを読み進めていくと、自分に足りないものが明確になり、自分ができている何かを理解する。再就職にあたり「自分の可能性」に気付いてほしい。そんなメッセージが込められています。

 コラムを続けていくと、再就職を考える自衛官だけでなく、日々の仕事に当てはめて考える一般の方からもメッセージをいただくことが増えました。コラムのほとんどの内容が、実は当たり前の事で、「人の嫌がることはしない」「人に喜んでもらうためには」「人を敬う」...など、人として当たり前のことこそが、日々の仕事に向き合うために必要なことだと感じています。

 この思いが読者の皆さまにとどき、「気付き」のきっかけになればと思っております。ぜひ、お気に入りのコラムを見つけて、今の自分に当てはめてみてください。そして、何かが動き出す。

画像: 「援護を援護する」特別編 カスタマイズで理想の自分に近づこう

筆者プロフィール

石塚 毅(いしづか たけし)

1970年新潟県出身。

前職のリクルートでは年間MVP受賞をはじめ表彰多数。人事採用のプロ。
これまで7000社の採用支援、2万人以上の個人向けキャリア相談実績あり。
サイパン島で戦死した陸軍少尉の祖父を持つ。


株式会社 求人
http://kyujin-boshu.com/



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