「人としての成長」をテーマにした特設ページを設置

 現在、自衛官募集サイト内には「成長できる舞台 RECRUITING SITE」という特設ページが設置されている。

 この特設ページでは、「人としての成長」をテーマに、自衛官のキャリアパスや陸上・海上・航空自衛隊の各幕僚長のインタビューなど、動画や読み物のコンテンツがめじろ押しだ。

画像: 自衛官募集サイト内にある特設ページより

自衛官募集サイト内にある特設ページより

 ──特設ページのインタビューでも、「国防」「災害派遣」「国際貢献」といった、自衛官を目指す人の関心のありそうなキーワードごとに、さまざまな隊員が登場していますね。

 大堀2佐 登場する自衛官の性別、また、出身区分も防大出身者だけでなく、一般大学出身の方からの話もバランスよく入れるようにしました。

 そのほか、職種・職域の部分も考慮していますので、「こんなに多様な人材がいるんだ」というのが伝わればと思います。

 「国防」「災害派遣」「国際貢献」というテーマの選定については、どんな内容やキーワードなら関心を持ってもらえるか悩みました。

 というのも、自衛官を志願した理由というのはまさに十人十色だからです。志願時に皆が国防に関心があるわけではありません。

 新隊員に志願理由を尋ねると、本当にさまざまな理由が返ってきます。

 「テレビで自衛隊の災害派遣活動を見て、自分もやりたいと思った」とか「国のために働きたい」という理由もあれば、中には「道を歩いていたら自衛官募集のポスターが目に留まったから」という人もいます。

 掲載するインタビューやコラムは、キャリアを重ねた幹部自衛官の話はもちろん興味深いと思いますが、募集対象者と同世代の自衛官の声をぜひ聞いてもらいたいと思っています。

 このコンテンツで自衛官募集サイトのPV(閲覧数)は約8万ほど伸びました。

 記事を読んでいただいて、自衛官の応募を迷っている人への後押しになれば幸いです。

 自衛隊には全国約260の勤務地と、陸海空ごとにさまざまな職種・職域が存在。

 陸自は16種類、海自は約50種類、空自は30種類の職域があり、戦車、艦艇、航空機などの最新装備を扱う分野から、研究・開発など、幅広い選択肢がある。

主軸となる「やりがい」「多様性」「人としての成長」という3つのテーマがぶれないよう、陸海空と連携してコンテンツ作りを行っているという

 ──特設ページのコンテンツの「自衛官人生SCOPE」という診断テストも面白いですね。

 大堀2佐 これはゲーム性や面白みを持たせたかったという意図もあります。最初の「仕事に求めるものは?」の設問で「お金」を選択すると、すぐに結果が出てしまうのですが(笑)。

 選択した答えによってさまざまなルートがあるのですが、どの結果でも、表示された職種や職域に興味を持ってもらえたり、調べてもらえたらうれしいですね。

 「自衛官人生SCOPE」はコチラ

画像: 特設ページ内にある診断テスト「自衛官人生SCOPE」より

特設ページ内にある診断テスト「自衛官人生SCOPE」より

募集対象者と同世代の若い隊員を起用「等身大の自衛官を見てほしい」

 ──以前の「国家を守る、公務員。」というキャッチコピーの時は、どのようなコンセプトがあったのでしょうか。

 大堀2佐 もともとの発端は、自衛官も公務員であるということが一般的にあまり知られていないということから始まっています。その上で崇高な任務を担っているのは、実はごく普通の若者であるということや、等身大の自衛官を見てほしいという思いがありました。

 また、陸海空合わせて200ほど職種・職域があるので、職業としての「多様性」を伝えたいという狙いもあります。

 例えば空自ならパイロットがイメージされやすいと思うのですが、もちろんパイロットが搭乗する航空機を整備する隊員もいれば、隊員の食事を作る給養員もいます。

 そこで、「自衛隊にはこんな仕事もある」ということを伝えられるよう、ポスターには、しゃもじを持った給養員や看護師、音楽隊の隊員にも登場してもらいました。

 ──ポスターに出演されている方たちも、モデルやタレントではなく現役の自衛官なのですね。登場された方はどのように決まったのでしょうか。

 大堀2佐 自衛官募集のポスターや動画には、18~32歳という募集対象者と同世代の自衛官を陸・海・空の部隊から募り、バランスよく起用しています。

 ポスターにモデルやタレントさんを起用するというのも一つの方法ではありますが、「募集・採用」という視点で、等身大の現役自衛官を、志願者自身に照らし合わせてイメージしてもらいたいという思いがあり、現役自衛官を起用しました。

 それぞれ、「現在こういう業務に就いて、すごく輝いている隊員がいるので選出したい」など、陸・海・空の部隊から何人か候補として挙げてもらい、その中から選出しました。


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