空自ブルーインパルスが12月11日、沖縄県宮古島で今年最後となる展示飛行を披露しました。今年、ブルーは全国18カ所で展示を披露(空自ホームページより)。コロナ禍の中、自粛を余儀なくされていた2年間の鬱憤を晴らすかのように、多くの人々に勇気を与えてくれました。その姿に魅了され、全国各地に足を運んでいるブルーインパルスファンネットさん。今年最後となる現地リポートです。南国の景色に映える、ブルーの勇壮な写真とともにお楽しみ下さい。(編集部より)
2022年12月11日(日)、沖縄県宮古島市の平良港トゥリバー地区において宮古島分屯基地開庁50周年記念行事が行われ、ブルーインパルスが同式典を祝賀の展示飛行を実施した。会場のトゥリバー地区は伊良部大橋袂に連なったビーチとなっており、伊良部大橋をバックに壮大な景観の中で、短い時間ながら雄大な展示飛行が披露された。
宮古島に初展開した土曜日
式典前日の12月10日(土)午前8時過ぎ、ブルーインパルス6機は1機ずつ那覇基地より飛来し、宮古空港に着陸した。宮古空港に誘導路がないための1機ずつの飛来で着陸し、滑走路上をトラックバックしてタクシーバックし、滑走路がクリアになった時点で次の機体が飛来、着陸する方法を取った。
途中民航機の着陸を挟んでの飛来で、着陸はそれぞれ、1番機 8:15、2番機 8:18、3番機 8:32、4番機 8:38、(民航機 8:48)、5番機 8:53、6番機 8:58であった。民航機の着陸を待って西側のダウンウィンドレグからアプローチしての5番機は虹を越えての飛来となり、展示飛行の成功を予感させる福音となった。
宮古空港は民航機のトラフィックが多く、また誘導路がないことや、駐機場も狭く格納庫もない。駐機場でブルーインパルスは北東側の片隅を使用し、10日(土)は3機3機で向かい合わせに駐機した(11日(日)は4機、2機)。この後、給油して離陸したブルーインパルスは、展示飛行後、宮古空港に着陸することなく那覇基地へと帰投し、翌日同様に宮古空港に展開してくることになる。
宮古島は美しい島だった
会場は、宮古空港より4.5キロほど離れたトゥリバー地区のビーチだ。正面に海峡を望み、左手には伊良部大橋が対岸の伊良部島まで伸びている。後ろには建設中のヒルトンホテルが建ち、完成すれば高層階からのオーシャンフロントの眺めはどれだけ見事なものであろうか。それは飛行指揮所の設置された屋上からの眺めとして、本番の展示飛行終了後速やかに空幕広報室より公開されることとなった。
海にはウミガメも時々顔を出していた。海峡と伊良部大橋とウミガメと、なんだかサンフランシスコとハワイのワイキキビーチの美味しいとこどりをしたような眺めだ。ここでブルーインパルスが曲技飛行をするというのだから来て本当に良かった。
土曜日の予行は曲技飛行(アクロバット飛行)を実施
11:40頃、宮古空港からランウェイ22で最初の4機が北へ1機ずつ離陸し、次に2機が少し間を開けて1機ずつ離陸した。
宮古島での最初の課目は4機による4シップインバートだった。第1編隊4機は伊良部島側で伊良部大橋を越えて西側へ抜け、折り返して再び伊良部大橋の手前側で戻ってきて、4シップインバートを開始した。
飛行場の滑走路以外で曲技飛行をするのは、松島基地での金華山沖専用訓練空域を除けば、T-4ブルーインパルスとしては初めてではないか。離発着の多い宮古空港から離しての曲技飛行であるが、空港管制圏内であり、他航空機の空域への進入が管制下であることが安全上大きい。
5番機によるインバーテッドロールは航空祭とは逆の右からの進入だった。短い時間と残燃料との闘いの中で、左に回り込むことをせず、離陸後すぐに待機した北側からの進入だ。
会場正面の海峡を雄大に旋回するチェンジオーバーターンでは、風が強くスモークがすぐに流されてしまった。
雲の流れは速く、機体とスモークは手前の砂浜とも違い日陰に入って、黒く浮き上がった。珍しい写真となったが、白いスモークが表現されなかったのが残念だ。
このレベルサンライズまで計5課目を実施して、那覇基地へ帰投した。伊良部大橋のセンターから進入したレベルサンライズは最初日向を通っていたがブレイクして日陰に入り珍しいコントラストを醸し出した。