はじめに

こんにちは。ヨメナルドです。

 今年の3月11日で、早いもので東日本大震災から11年となります。とても衝撃的で、当時のことは、まだはっきりと覚えています。

 実は、防衛日報デジタルでコラム掲載が決まった時から書きたいことがありました。それは、東日本大震災を受けての「災害への備え」です。

 自衛官の皆さんは、大きな震災が起きたときには、災害派遣に出動することもあると思います。求められる迅速な呼集、長い時間会えない家族。その時が来たら、ゆっくり準備をしている暇がありません。
 現職自衛官の方のためにも、その家族のためにも、一般の方のためにも、当時の経験を踏まえて気づいた、災害への備えについてまとめたいと思います。

11年前の東日本大震災、そのとき

1. 揺れが来た!

 2011年3月11日14時46分。私は二番目の娘とお昼寝の寝かしつけの最中でした。

 緊急地震速報がいきなり流れ、船に乗っているような大きな揺れが続いてきました。真っ先に娘を抱っこして玄関ドアを開け、逃げ道を確保しました。少し前に来た地震の際に、お義母さんから、「母は真っ先に逃げ道を作りなさい」とアドバイスをもらっており、咄嗟に行動しました。

2. 犬が脱走!

  ドアを開けると、地震で興奮した、飼っていた犬が勢いよく外に逃げ出しました!揺れが収まらない中、子を抱っこしながら逃げる犬を呼びましたが、帰って来ず。揺れが収まった後に探しに行き、連れて帰りました。

3. お父さん出勤…

 その後、上の娘も帰宅したところで夫が出勤となり、遠くの駐屯地まで自転車で登庁しました。余震も続く中、家に残されました私と子どもたち。非常呼集訓練も時々実施されていたので、そのようなことはいつか起こるとは思っていましたが、実動が来ました。

 予備自衛官だった私にも招集の希望調査が来ましたが、子どもたちが小さいので長期間の招集には応じることができない旨、東京地方協力本部の担当の方に伝えました。

4. 岩手の姉の所在が分からない

 三陸地方に住んでいる姉がいるのですが、震災直後から、その姉と連絡が取れなくなりました。安否が不明で、不安で4日間ご飯が食べられませんでした。当時流行っていたmixiや、Twitterで情報を収集しも全く手掛かりがつかめません。最悪の事態も考えていました。

5. その後、6月まで

 三陸に住む姉と連絡が取れたのは一週間後。震災直後から捜索活動に出ていたそうです。(さすが我が姉、強い。)

 そのほかにも親戚の安否の情報がやっと入ってくるようになりました。

 自宅はというと、夫の勤務が断続的に続いている状況でした。もちろん、守秘義務があるのでどのような勤務なのかわかりません。余震も時々起こります。初めての幼稚園生活もあるなかですが、段々慣れていきました。

感じた、事前の準備の大切さ

 自分自身が元自衛官なので、有事や災害の際の心の準備はできていましたが、物理的準備や知識的な準備ができていなかったことに気が付きました。

 震災後から、災害・防災についての勉強を始め、今だからわかる、当時の対処の改善点がどんどん浮き彫りになりました。

 上の番号に照らし合わせて、まとめてみます。

1. 揺れが来た際は、まず、身の安全を図る

 揺れが来たら、逃げ道を作るのではなく、その瞬間の自分の身を守ること。震災後、池袋消防署の防災館での災害体験の際に知りました。逃げ道確保は、揺れが収まった後です。

2. ペットは、ケージに入れるかリードを付けて!

 ペットは異常に敏感です。思いもよらない行動をとることがあるので、地震が起きた際は、ケージに入れたり、リードを付けたりして、ペット地震の安全を確保してください。

3. 家族が出勤しなければいけないなら、連絡方法は複数持っておく

 公務員だけでなく、建設業やライフライン関係企業など、震災が起きたら出社が必要になる職業も多いと思います。その際できるだけ連絡が取れるように、連絡方法を多く持っていましょう。

 特に、災害用伝言サービスは便利でした。震災時の電話が通じないときに唯一被災地の人と連絡が取れた方法でした。自衛官の方は、家族もあわせて使えるようにしておいてほしいです。

災害用伝言サービスの使用方法については、セイコさんが詳しく書かれています!

4. 遠くの親戚とも災害用伝言サービスを

 遠くで居場所がわからないって、結構辛いです。当時は一週間後に、親戚が吹き込んだ災害用伝言サービスにより無事を確認できました。もっと早く利用できていたら、必要な物資を早く送れたり、心に余裕を持って生活できたりしたのでは、と感じました。

5. 大変なら、助けを求められるような体制を

 万が一の時のためにも、近所の親戚を頼ったり、近隣とのつながりを作っておいたりするのも大事だと感じました。自助だけではどうにもならない、でも、公助にも頼ることが難しい。このような時は、助け合う「共助」の力が発揮されます。日頃から顔の見える関係を作るためにも、挨拶からでも初めてみませんか?

我が家の現在の日常

 現在は、災害や防災に関する知識も増え、備えることができてきました。大きな揺れが来たら、机の下に隠れることも、子どもたちもできるようになりました。

 いざというときの連絡方法として、災害伝言版サービスだけでなく、公衆電話の使い方も子どもたちに教えています。

 また、共働きだからこそ地域とのつながりをもっています。夫の登庁は既定と考え、私も仕事から帰れなくなった時、子どもたちをどうするか。そこまで考えています。

 私が動けるときには、災害派遣で出ている自衛官の家族を支援する役目も、自衛隊家族会を通じて付与されています。自衛官の皆さんとその家族には、必要な時に使っていただきたいです。

マイ・タイムラインで、想像してみる

 災害時どう動くのか、何を備えるのか、あまり具体的なイメージがつかない方もいると思います。そこで、地震のマイ・タイムラインを作成してみてはいかがでしょうか?

 風水害の際にどのような行動をとるかのマイ・タイムラインは多くありますが、地震のマイ・タイムライン作成キットは多くありません。その中で、京都市で地震マイ・タイムライン作成サイトがあったので使用してみました。

 作成方法は、clickして選択する方法で進めていくのでとっても簡単でした。ほかに記載したいことがあれば自由記述で追加できます。

 作成したのが、こちらです。

画像: 京都市マイ・タイムライン www.bousai.city.kyoto.lg.jp
京都市マイ・タイムライン
www.bousai.city.kyoto.lg.jp

 いつ、何をするか明確になり、想像しやすくなります。これを家族分用意して、見える場所に貼ったり、持ち歩いたりすると、安心ですね!

おわりに

 東日本大震災のような大きな震災として、南海トラフ地震が起きる可能性が高いといわれています。

 マイ・タイムライン作成などでイメージングや見える化をすることにより、より明確に、どのように備えるのかわかります。

自分や家族のために、まずは、生きること。

 そのためにも、事前の準備を行っていただきたいです。また、家族がいる方は特に、自分だけではなく、家族の災害後の行動も準備・把握できるようにしたいですね。

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