それはファンが各々東京の各地で空を見上げブルーインパルスを撮影した映像を統合しようという壮大な計画だった。制作と編集をした本プロジェクト「7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse」の発起人から連絡をもらったのは8月6日のことだ。
その企画がついに『7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse 〜 絆・つながる みんなの動画と共に 〜』として、11月13日（日）に完成、公開された。
最初にもらった「7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse」プロジェクト発起人からのメッセージは以下のようなものだった。
❝これは、7/23のブルーインパルスの東京フライトで、ファンの皆さんが各地で撮影された動画をひとつにつなぐことで展示飛行の全貌を記録し、この偉業を多くの感動の声と共にブルーインパルスの歴史として残すことを目的とするものです❞
❝今回のフライトでは「こんなに素晴らしいフライトだった」「みんなが感動の声をあげていた」ということを動画で伝えたいと思いました。報道が流したヘリからの映像でなく、様々な場所で青空を見上げて夢と感動と希望を感じた多くの人の声も含めて1つの動画にしたいと考えました❞
本プロジェクト発起人は以前から航空祭の映像を撮影編集しSNSやYouTubeで公開してきた実績があり、ブルーインパルスファンネットでも定評がある。特徴的なのは、自身の映像と他者の映像を編集で合わせ、多元的に見せる映像表現手法だ。
同氏から協力依頼があったのだから即答で協力を約束した。
『7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse 〜 絆・つながる みんなの動画と共に 〜』は間違いなく制作者としての同氏の代表作となる作品である。
本作にはご自身を含め46人のカメラマンがこの作品に映像を提供している。告知と映像作品の募集には4つのブルーインパルスファンコミュニティが協力した。ブルーインパルスファンネットも映像提供と告知募集の両方で参加させていただいた。
監修には、応援協力として元ブルーインパルス飛行班長で1番機を務めた吉田信也元2空佐が加わった。本映像作品は、ブルーインパルスパイロットも太鼓判を押す、素晴らしい作品として完成した。
観ていて晴れがましい気持ちになった。ブルーインパルスの57年ぶりの大舞台だ。東京全域がステージであり、当日そのすべてを観ることはできず、ファンは各々に自分の見られる場所で空を見上げた。その様々なアングルがここに結集した。あの日、東京はブルーインパルスを見上げて一体となった。本作はその証拠映像なのだ。
蛇足だがひとつだけ説明を加えさせて頂くなら、ブルーインパルスはこの感動的フライトのために持てる力を結集した。オリンピックシンボルが「さくら」の応用であることは以前に書いた。
しかし、それだけではない。東京五輪スペシャルとしてブルーインパルスはその編隊の並びをより完璧なものを描くために変更しているのだ。
通常であれば4番機が真ん中に来るところを、編隊長1番機に次ぐ第二編隊長である5番機を中心に添えることで、失敗の許されない大舞台で完璧な五輪を描くべく布陣したのだ。
さらに主編隊である六機になんらかの故障があった場合も想定して、第二のB編隊六機も離陸した。本作品ではそのB編隊の雄姿も見ることがことができる。
TOKYO2020のオリンピックシンボルは、12機のブルーインパルスとあの日空を見上げたすべてのファンの結晶なのだ。
7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse 〜 絆・つながる みんなの動画と共に 〜 2021.7.23 ［4K］
www.youtube.com映像制作：「7.23 Fly over TOKYO with Blue Impulse」プロジェクト
文、トップ写真、図：ブルーインパルスファンネット 管理人 今村義幸
