画像1: 令和元年版 防衛白書を公開|防衛省

 河野太郎防衛大臣は9月27日の閣議で、令和元年版「防衛白書」について報告し、了承された。令和初の白書の対象期間には、岩屋毅前防衛大臣の下で進められた「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)と「中期防衛力整備計画」(新中期防)の策定が含まれ、新たな時代の防衛力として、宇宙・サイバー・電磁波などの新領域を融合させた「多次元統合防衛力」の構想を強調したのが特徴だ。また、平成を振り返る「平成の防衛省・自衛隊~30年の歩み~」と題した記事も組まれ、資料的な価値の高い内容となっている。河野大臣は白書の前書きで「令和の時代も平和の時代となるよう、わが国の平和と安全を維持し、国際社会の平和と安定の確保に寄与することで、国民の生命・財産をしっかり守る」と新時代に向けた決意を示した。

画像2: 令和元年版 防衛白書を公開|防衛省

 白書は日本を取り巻く安全保障環境について、「既存の秩序をめぐる不確実性が増大し、政治・経済・軍事にわたる国家間の競争が顕在化した」と分析。グレーゾーンの事態が長期化し、軍事と非軍事を意図的に曖昧にする「ハイブリッド戦」の手法が見られるようになったと指摘した。テクノロジーの進化が安全保障のあり方を根本的に変える時代を迎えた点についても言及した。

 中国については、ミサイルや海空戦力に加え、宇宙・サイバー・電磁波領域の能力を強化し、既存の国際秩序とは相容れない独自の主張を基に、力を背景に一方的な現状変更を試みていると指摘。特に東シナ海での軍事活動の拡大・活発化は「日本の安全保障上の強い懸念」と強調した。

 北朝鮮は、トランプ・金正恩会談以降も大量破壊兵器や弾道ミサイルの完全な、検証可能な廃棄を行っておらず、日本を射程に収めるミサイル能力に本質的な変化はないと指摘。平成30年版に引き続き「わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」とした。

 ロシアについては、極東にも軍事活動を活発化させており、「動向を注視していく必要がある」と記述した。

 こうした周辺諸国の動向も踏まえ、日本は18(平成30)年に新たな「防衛計画の大綱」を決定した。新大綱では、この先10年間の日本の防衛力のあり方と保有すべき防衛力の水準を定め、防衛の目標を達成するための三つの柱として、「わが国自身の防衛体制の強化」「日米同盟の強化」「安全保障協力の強化」を掲げた。安全保障協力を進める各国の記載順について、レーザー照射問題、軍事情報包括協定GSOMIA(ジーソミア)の終了などで関係が悪化している韓国の記載順を平成30年版の2番目から、豪、インドなど、ASEAN諸国に次ぐ4番目に引き下げた。

 白書は巻頭で、「平成の防衛省・自衛隊~30年の歩み」を特集し、平成の安全保障環境の変遷と自衛隊の取り組みを振り返った。AR動画は15本閲覧できる。


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防衛省・防衛白書
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