令和5年(2023年)10月7日(土)、鹿児島県鹿児島市白波スタジアム(鹿児島県立鴨池陸上競技場)で開催された「燃ゆる感動かごしま国体」総合開会式で、天皇皇后両陛下御臨席のもと、国体開会を祝賀する展示飛行を実施した。
 この国民体育大会は、令和2年(2020年)の第75回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」が、コロナ禍の影響で再スケジュールされ、今年令和5年に“特別”国民体育大会として、10月17日(火)まで開催されるものである。
 鹿児島での国体は、昭和47年(1972年)の第27回国民体育大会「太陽国体」以来、51年ぶりという。
 ブルーインパルスの国体での展示飛行は、令和4年(2022年)10月1日の第77回国民体育大会「 いちご一会とちぎ国体」に続いて2年連続となった。
 国民体育大会は、次回第78回より「国民スポーツ大会」に名称変更となる。ブルーインパルスは最後の“国体”開会式を、その展示飛行で祝賀した。

画像: 1番機、2番機、3番機、4番機、6番機の5機によるレベル・サンライズ

1番機、2番機、3番機、4番機、6番機の5機によるレベル・サンライズ

画像: 5番機ソロによるナイフ・エッジ

5番機ソロによるナイフ・エッジ

 空自新田原基地からのリモート展示で、レベル・サンライズとナイフ・エッジの2課目で構成された編隊連携機動飛行だった。
 白波スタジアムの観客席は正面に桜島を見据える角度で建てられている。桜島の方角から真っ直ぐに進入してくるものと想像していたが、右斜めからの進入だった。
 Google Mapで桜島からの距離を測ってみると、火口から約9.5kmしかなかった。15km四方を使うブルーインパルスにとっては桜島が近すぎたのだ。
 写真は、鹿児島県内で2番目に高いビルという鹿児島県庁舎の18階展望ロビー(高度約93m≒300ft)から撮影した。

画像: 平成30年(2018年)5月25日(金)の明治150年記念式典フェスティバル予行で白波スタジアム上空を飛んだブルーインパルス。本番は天候不良で中止となり公式展示記録にこのフライトは載っていない (写真提供・本地隼人)

平成30年(2018年)5月25日(金)の明治150年記念式典フェスティバル予行で白波スタジアム上空を飛んだブルーインパルス。本番は天候不良で中止となり公式展示記録にこのフライトは載っていない
(写真提供・本地隼人)

 この日は噴火していなかったが、ブルーインパルスが前回鹿児島市で飛んだ「明治150年記念式典フェスティバル」予行(平成30年〈2018年〉5月25日〈金〉)では噴火している桜島が写っている。この時は進入方向が山側から桜島に向かっており、会場通過後に回頭して桜島からそらすことは容易である。だが、桜島方向からの進入となると、開会式の式典進行に合わせて定時定点必達で飛行するために空中待機する空域も取らなければならず、噴火のリスクも考えれば、桜島は近すぎたようだ。

 レベル・サンライズの進入方向を写真から判断すると、その方向に海自鹿屋航空基地がある。距離は約34kmと充分な距離だ。新田原基地を離陸し鹿屋航空基地に向かい、鹿屋から白波スタジアム方向へ回頭し、その間のどこかを起点に、白波スタジアムに向かってレーストラック状の空中待機空域を設けたと考えられる。

画像: 空中待機のイメージ図。おおよそ360kt(時速670km)で飛行し、直線1分間で6ノーティカルマイル(=6海里≒11km)進む ブルーインパルスファンネットFacebook【説明しよう!】「定時定点必達!!!」その2

空中待機のイメージ図。おおよそ360kt(時速670km)で飛行し、直線1分間で6ノーティカルマイル(=6海里≒11km)進む

ブルーインパルスファンネットFacebook【説明しよう!】「定時定点必達!!!」その2

 ブルーインパルスが「明治150年記念式典フェスティバル」予行で飛んだことを上述したが、初代F-86Fブルーインパルスが「明治百周年式典」(昭和43年〈1968年〉4月6日〈土〉)で鴨池陸上競技場を飛んだ記録が残っていた。現在の県立鴨池陸上競技場の施設になったのが昭和45年10月であるというから、それ以前の競技場である。またその時の離発着は旧鹿児島空港(通称・鴨池空港)で、鴨池陸上競技場のすぐ近くであった。

 桜島との間、狭い空域でF-86Fブルーインパルスが苦労して展示飛行した会場で、より雄大な空域を使ってT-4ブルーインパルスが国体開会を祝賀する展示飛行を成功させた。

 レベル・サンライズの1番機であり編隊長を川島良介3空佐(飛行班長)、ナイフ・エッジの5番機を江口健3空佐が務めた模様。

画像: 飛行指揮所が設けられた鹿児島県庁展望ロビー(高度約93m(300ft))。右窓下に白波スタジアムが見える

飛行指揮所が設けられた鹿児島県庁展望ロビー(高度約93m(300ft))。右窓下に白波スタジアムが見える

 地上統制官は林幸一郎3空佐(総括班長)が務めた。飛行指揮所は筆者が撮影した鹿児島県庁展望ロビーの一角に仕切って設けられ、新田原気象隊も気象観測支援で展開していた。開会式進行状況を白波スタジアムで確認する班と別れて対応していたようだ。飛行指揮所には整備員の内村圭介1空曹もサポートで展開した。

T-4ブルーインパルスの鹿児島県での展示飛行

平成8年(1996年)5月12日 鹿屋航空基地「エアーメモリアルinかのや」(新田原リモート)
平成10年(1998年)5月17日 鹿屋航空基地「エアーメモリアルinかのや」(〃)
平成16年(2004年)4月29日 鹿屋航空基地「エアーメモリアルinかのや」(鹿屋初展開)
平成26年(2014年)4月27日 鹿屋航空基地「エアーメモリアルinかのや」(鹿屋展開)
平成30年(2018年)3月31日 陸自奄美駐屯地「開庁記念行事」(奄美初展開)
令和5年(2023年)10月7日 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」(新田原リモート)

T-4ブルーインパルスの国民体育大会での展示飛行

平成13年(2001年)10月14日 新世紀・みやぎ国体ソフトボール開始式(第56回)
平成22年(2010年)9月25日 ゆめ半島千葉国体開会式(第65回)
平成24年(2012年)9月29日 ぎふ清流国体(第67回)
平成25年(2013年)9月28日 スポーツ祭東京2013(第68回)
平成26年(2014年)10月12日 長崎がんばらんば国体(第69回)
平成27年(2015年)9月26日 紀の国わかやま国体(第70回)
平成28年(2016年)10月1日 希望郷いわて国体(第71回)
平成29年(2017年)9月30日 愛顔つなぐえひめ国体(第72回)
令和元年(2019年)9月28日 いきいき茨城ゆめ国体(第74回)
令和4年(2022年)10月1日 いちご一会とちぎ国体(第77回)
令和5年(2023年)10月7日 燃ゆる感動かごしま国体(特別)

《取材・撮影》ブルーインパルスファンネット 今村義幸
《写真提供》本地隼人


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