上:ウダロイⅠ級駆逐艦 下:ステレグスチーⅡ級フリゲート(統合幕僚監部提供)

太平洋上の大規模演習が目的か

 【2022年6月17日(金)2面】 統合幕僚監部は6月10日、海自が同9日、根室半島(北海道)の南東約170キロの海域で活動するロシア海軍艦艇ウダロイⅠ級駆逐艦1隻、ステレグシチーⅡ級フリゲート1隻、ステレグシチー級フリゲート3隻の計5隻を確認したと発表した。

 防衛省・自衛隊は、7護衛隊所属「ゆうだち」(大湊)により、所要の情報収集・警戒監視を行った。

 10日に会見した岸信夫防衛大臣によると、ロシア国防省はロシア軍太平洋艦隊の艦艇40隻以上、航空機約20機が参加する大規模演習を6月3日以降、太平洋で実施するとしており、これに関連して、千島列島周辺海域、日本のEEZ(排他的経済水域)を含む三陸沖の海域で、ミサイル発射などを目的とした航行警報を発出しているという。

 大臣は「今回、海自が確認したロシア艦艇の活動は、こうした演習の一環であると考えている。今後、三陸沖でも演習を実施する可能性について、注視する必要がある」とした。

 その上で、「ウクライナ侵略を行う中にあっても、ロシア軍が極東でも同時に活動し得る能力を誇示する狙いもあると考えている」と述べ、関連する軍事動向について、今後も重大な懸念を持って情報収集・警戒監視を継続することを強調した。

      ◇

奥尻島沖でも確認 津軽海峡の東進も

 一方、統幕は6月9日、同日午前5時ごろ、海自が北海道奥尻島の南南西約90キロの海域を南東進するロシア海軍バルザム級情報収集艦1隻を確認した。その後、艦艇は津軽海峡を東進したことを確認したという。

 この艦艇は、6月7日に宗谷岬の東方海域で確認され、その後、宗谷海峡を西進したものと同一。
 防衛省・自衛隊は、海自大湊警備隊所属「すおう」(大湊)、1ミサイル艇隊所属「わかたか」(余市)、2航空群所属「P3C」(八戸)により、情報収集・警戒監視を行った。


◆関連リンク
防衛省 統合幕僚監部
https://www.mod.go.jp/js/



This article is a sponsored article by
''.