【兵庫】陸自3師団(師団長・山根陸将)は4月1日から15日の間、青野ケ原演習場(兵庫県)で令和3年度「第1回師団統裁バトラ戦闘訓練」を実施した。バトラは、交戦訓練装置(BAttle TRaining Apparatus)の略称。レーザー光線などにより実弾を使用することなく実際的な交戦訓練ができる機材。訓練ではこの装置を活用し、実際に近い環境下、中隊対抗方式で行った。
訓練開始式で統裁官は、訓練部隊に対して「『How to fight(戦い方)』の検証にとどまらず、『How to win(勝ち方)』を貪欲に追求せよ」と述べた上で「全力を出し切って戦え」「結果を次につなげよ」などを要望した。
戦車、特科、施設科などの配属を受けた各普通科中隊は、攻撃側、防御側に分かれ、それぞれが考え抜いた勝ち方で「本気」で戦い、部隊の戦闘能力・諸職種協同能力を向上させることができた。
また、バトラ戦闘訓練終盤には、中部方面総監の野澤陸将による訓練状況の視察を受けた。
訓練に参加した中隊長の一人は、「相手の行動をリアルに見積もることが、非常に重要であると認識できた。また、勝利の追求により隊員の団結と規律心が育成され、戦いながら中隊が強くなるという実感を得た」と語った。
3師団は「次回の師団統裁バトラ訓練は、来年2月に実施する予定」としている。