北海道旭川市 12月9日より本格的に活動開始
新型コロナウイルスの感染者が急増し、医療従事者の人手不足が深刻化している北海道旭川市に対し、政府は12月8日、自衛隊の看護官らの災害派遣を決め、岸信夫防衛大臣が了承。陸自北部方面総監が派遣命令を出した。
これを受け、北部方面隊の看護官と准看護師約10人が同日夜、医療支援のため現地に派遣された。新型コロナウイルスの感染拡大での医官や看護官の派遣は、8月18~31日の沖縄県以来。
北海道旭川市に派遣された自衛隊の医療チームが12月9日から本格的な活動に入り、派遣先の一つである同市の慶友会吉田病院で看護官が医療支援にあたっている。
※写真は統合幕僚監部提供
大阪府 看護官ら医療支援チーム7人を派遣
新型コロナウイルスの感染者急増で医療体制が逼迫(ひっぱく)している大阪府の吉村知事は11日午前9時、陸自中部方面総監(伊丹駐)に対し、医療支援に係る災害派遣を要請した。政府は同日、自衛隊の看護官らの災害派遣を決め、岸信夫防衛大臣が了承。中部方面総監の野澤真陸将が派遣命令を出した。新型コロナウイルスの市中感染拡大に伴う自衛隊の災害派遣出動は、8日の北海道旭川市に続き2回目。
中部方面隊の医療支援チーム7人のうち3人(看護官1、准看護師2)は重症者専用のプレハブ臨時施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)に、4人(看護官1、准看護師3)は府立中河内救命救急センター(東大阪市)で医療支援を行う。重症センターには、集中治療室(ICU)での勤務経験がある看護官が入る。
15日、護師資格を持つ陸上自衛隊の看護官と准看護師の計3人が、府内のホテルから送迎バスで重症センターに到着。16日から医師の診療(レッドゾーンを含む)の補助、人工呼吸器の管理・取り扱い、検温、血圧測定などの活動を始める。活動期間は15日以降2週間(28日まで)。
12月14日現在、大阪府の累計の感染者は2万5114人。死者は421人に上っている。11月下旬以降は連日200~400人台の新規感染者が確認され、ほかの傷病患者向けの病棟を閉鎖する医療機関が続出。8日には、重症病床の使用率が初めて70%を超えた(70.9%)。
今回の派遣先の一つである大阪コロナ重症センターは、住吉区の大阪急性期・総合医療センターの敷地内に整備され、12月15日に運用が開始されたが、全30床の稼働に必要とされる看護師130人は確保できていなかった。
府は全国知事会や関西広域連合などに対し看護師の派遣を要請する一方で、看護師を緊急募集するなどしてきたが、これまでに確保できた看護師は80人ほどで、7日に同センターを視察した吉村知事も「(看護師が)まだまだ足りていない」と危機感を募らせていた。こうした状況で、感染者が急増したことが災害派遣要請につながった。
防衛省 統合幕僚監部
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陸上自衛隊 北部方面隊
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陸上自衛隊 中部方面隊
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