【特集:百里基地 Vol.1】ドローン×警備犬×戦闘機!ワクワクが止まらない百里基地見学ツアー|百里基地

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「はい、は~い!」F2戦闘機の見学で隊員に熱心に質問


ワクワク ドキドキ 春休み一番の体験!


   空自百里基地(司令・鈴木空将補)は4月4日、都内のプログラミング教室に通う親子を対象に、一般見学ツアーを実施した。


   ITやテクノロジーに関心を持つ小中学校に通う子供たちとその保護者ら約40人が参加。体験喫食のほか、戦闘機、救難隊の活動、警備犬の訓練展示も見学するなど、好天に恵まれた春休み最終日前日に、自衛隊の活動や装備品に触れる貴重な体験となった。


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高性能のドローンを説明する隊員。子どもたちの関心はさらに高まった

 ツアーは、ドローンや装備機器などプログラミングやITが活用されている現場を見ることで、自衛隊に興味を持ち、より身近な存在に感じてもらうのが目的。参加したのは、小学1年生から中学2年生までの児童・生徒たちだ。

 

 

 

 見学は、基地の概要説明から始まり、隊員食堂での体験喫食へ。提供されたのは、隊員にも人気の本格的なねぎとろ丼。新鮮なマグロの食感を生かした一品に、子供たちは歓声を上げながら舌鼓を打っていた。実際に隊員たちが食事をとる様子も見られ、日常業務の一端を垣間見る貴重な機会となった。

 

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「はい、は~い!」。F2戦闘機の見学で隊員に熱心に質問


 午後には、F2戦闘機の見学を実施。案内役を務めたパイロットの西村1空尉が、機体の構造や任務内容について丁寧に説明すると、最初は遠巻きにしていた子供たちも、説明が進むにつれて次第に戦闘機へと近づき、「危ないから、もうちょっと下がってね」と注意されるほど、熱心に質問する姿が見られた。

 


実物の救難具を装着してもらってドキドキ!


 続いて、救難隊の活動紹介に移り、人命救助に用いられる装備品の解説や、救難具の装着体験が実施された。


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救難隊の救難具を装着。「これがあれば、だいじょうぶなのか~」

 

 さらに、救難ヘリコプターUH60Jが2機同時に離陸し、旋回飛行を披露する場面では、参加者全員が熱心に見入り、飛び立つヘリへ大きく手を振っていた。


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UH60Jがお目見え

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UH60Jのダブル飛行に熱心に見入り、「やっぱり、カッコいいなあ~」


かわいいワンコが、実はとっても強い⁉


 その後の警備犬訓練展示では、警備犬「ジジ号」「ゴゴ号」による警備訓練や不審者制圧の模擬展示が行われ、子供たちはその迫力に驚きと興奮の表情を見せた。

 

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不審者役の隊員に、「あ、不審者だ!」と警戒

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不審者役の隊員を見事確保!「ゴゴちゃんすご~い!」と子どもたちも大喜び

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警備犬「ジジ号」にごあいさつ。訓練展示の迫力は驚きの連続だった


ドローン×警備犬のタッグで命を救う


 また、ドローンと警備犬を組み合わせた災害救助活動のデモンストレーションも行われ、子供たちは高性能のドローンに強い関心を寄せ、案内役の隊員が「皆さんが将来、このドローンを動かす技術者になるかもしれない」と語ると、目を輝かせていた。

 展示後は、警備犬と触れ合う時間が設けられ、警備犬に親しみながら交流を楽しんだ。


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高性能のドローンについて子供たちから次々と質問の嵐

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警備犬「ゴゴ号」


憧れのパイロット気分を満喫!


 最後に訪れた広報資料館では、戦闘機の実物大コックピットに座る体験や、制服の試着などの体験型展示が多数用意されており、参加者は熱心に見学していた。


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実物大コックピットに試乗体験


 参加した子供たちからは、「目の前で本物の戦闘機を見ることができてワクワクした」「ドローンと犬が協力できるなんてすごいと思った」、また、保護者からは、「高度な機器を操る隊員の姿がとても格好良かった」「子供にとって春休み一番の体験になった」といった声が聞かれ、好評を博した。

 百里基地では、「今後も基地見学や各種イベントを案内し、一人でも多くの子供や保護者たちが自衛隊に触れる機会を作っていくため、広報活動を展開していく」としている。



<編集部より>

世界の紛争を語る時、今やサイバー攻撃は必要不可欠となっています。実際の装備車両や航空機を使用した武力攻撃の前に、対象国(地域)の重要機関などの通信手段を徹底的に洗い出した上で先制攻撃をかける「見えない戦い」です。

ロシアのウクライナ侵攻の際には、実際に侵攻が始まった1カ月ほど前に政府機関の約70の公式サイトが一斉に乗っ取られ、突然、脅迫メッセージ。これが、「嵐の前の静けさ」というか、本攻撃の前の静かな攻撃だったことは知られているところです。

日本でも政府系機関や企業などが各種のサイバー攻撃を受ける事態が増えています。「対岸の火事」とはいえません。

だからこそ、自衛隊は、高度化するサイバー攻撃に対応するため、今、IT人材の育成と確保に力を入れているのです。民間からのサイバー自衛官の採用や、企業との交流、サイバーコンテストの開催などを通じて、高度なサイバーセキュリティー能力を持つ人材を確保し、自衛隊のIT関連業務を強化しています。

そこで、本日は都内のプログラミング教室に通う親子を対象に、航空自衛隊百里基地が「一般見学ツアー」を実施した記事を紹介します。

もちろんのこと、参加した小中学生はITやテクノロジーに関心を持っていますが、そこは子供たちです。大人でも普段は見ること、体験することが難しい戦闘機の見学や、救難隊の人命救助用の救難具を装着してみたり、警備犬の模擬展示を見て「スゲェ~、スゲェ~」と驚き、春休み一番だったかもしれない「ワクワクでドキドキ」の一日を過ごしていました。

最後には、ドローンと警備犬を組み合わせた災害救助活動。高性能のドローンの動きを見てまた感激し、案内役の隊員からは「皆さんが将来、このドローンを動かす技術者になるかもしれないよ」と言われ、まんざらでもない気持ちになったり…。

子供には刺激が大きければ大きいほど、将来の選択肢にもつながる可能性があるというものです。関心がある分野の生の姿と迫力、さらには、ITにも積極的な自衛隊に触れたわけですから、記憶に残るものなのです。

比較にはならないかもしれませんが、野球を始めた子供は野球教室に参加し、講師のプロOBの姿やアドバイスに心躍らせ、「将来、野球選手になるぞ~!」と思ってしまうのです。自分もその一人でした(その後、断念しましたが…)。子供たちの興味・関心は純粋で素直なところが大きな要素です。こうしたツアーの実施は、広報活動としてとても重要です。

「戦い」は陸海空の分野にとどまらず、「新領域」と防衛省が重要施策として挙げる宇宙、サイバー、電磁波はとくに専門性が求められます。こうした分野に興味があり、関心がある子供たちの存在は貴重です。現場を知り、成長とともにさらなる知識、経験を積み、いつの日か高性能ドローンを操縦する時が来るかもしれません。

随分と気が早いことは承知の上で、ちょっぴり期待したくなりますね。