<宮城>霞目駐(司令・松元1陸佐)は1月11日、駐屯地を一般開放し、「Kasuminome Kite FESTIVAL」を開催した。イベントは、霞目飛行場周辺町内会連絡協議会と共催で毎年行っている新春の行事であり、今年で49回目を迎えた。
 
隊員指導のもとオリジナル凧の製作も

 これまでは「凧(たこ)揚げ大会」と称していたものの、「全国で唯一、飛行場で凧揚げができる」という珍しさを売り出し、今後、より多くの人に参加してもらえるよう、名称を変更した。また、当日は、オリジナル凧の製作と滑走路での凧揚げに加え、格納庫での多用途ヘリの見学なども行った。

画像: 来場者に教える隊員

来場者に教える隊員

 来場者からは、「毎年、子供と楽しみにしています」「カラフルな凧がきれい」というコメントもあり、思い思いにイベントを楽しんでいた。

画像: 飛行場に舞う凧

飛行場に舞う凧

 子供たちの笑い声が飛び交う中、今年一年の平和を願う思いを乗せて、大空高く凧が舞い上がる一日となった。


◆関連リンク
陸上自衛隊 霞目駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neaavn/

 各部隊の年頭の表情を紹介する防衛日報の連載企画「令和7年 始動」の本日(28日付)2面はその2回目。「二十歳の誓い」や「地域での凧揚げ」など4つの部隊の報告をまとめていますが、その中でこだわってみたいのが陸上自衛隊5旅団が実施した「初飛行訓練」です。

 最大の目的が一年の航空安全祈願であることは当然です。自衛隊では昨年も訓練中のヘリ事故など大きな事案が発生しました。陸上、海上、航空、それぞれの自衛隊に航空任務を行うセクションがありますが、事故はその内容次第で全自衛隊への信頼を揺るがしかねない重大なケースとなり得ます。

 この日、訓練を担当した5旅団唯一の航空科部隊である5飛行隊も同様。多用途ヘリ「UH1J」3機が十勝周辺の空域を約1時間にわたって飛行し、年頭に新たに気を引き締めていました。

 言わずもがなですが、「~始め」など新たなスタートを切る瞬間や節目にあたる行事は特別なものです。重要なイベントであると判断し、編集作業にあたっては強く意識して臨んでいます。それゆえ、新年の初頭行事だけでなく、創立・創設・開設記念日行事などもそうです。「ホスト役」の隊員たちが今回の5飛行隊と同様に「今年こそ」「今年は」などと目標を立てたり、決意を掲げたりする上で大きなタイミングとなるからです。

 そして、もう一つ。しっかりと紹介したいと思う理由は、地域にアピールする上で絶対に欠かせない絶好のタイミングとなるからにほかなりません。観閲行進は勇壮で規律性、団結性を表すことができます。装備車両や訓練などの展示はその圧倒的な迫力を見てもらえるだけでなく、「有事」という今、考えておかなければならないことを住民に知らせ、感じてもらう意味でもとても重要となるのだと思います。

 今回は空が舞台の訓練ですから、陸上とは違います。ただ、上空のヘリから年頭の辞を述べた旅団長の言葉にあるように「いついかなる任務に対しても、これに即応し、持続性および強靭(きょうじん)性を発揮して任務を完遂し得るよう精進することが必要」であるのは、自衛隊全体につながる内容でした。

 初飛行訓練でいえば、資料などを調べるとこんな言葉も飛び込んできました。

 「すべての隊員が『攻めの安全確保』の精神を持って、危険見積もりを実施し、兆候の早期発見と事故の未然防止に努めてもらいたい」。1年前、同様の初飛行訓練を実施した霞目駐東北方面航空隊の開始式での隊長の言葉です。空の飛行は常に危険と隣り合わせとなる以上、意識の向上には絶対に欠かせない言葉だと思いました。

 新たな年に新たな思いをしっかり植え付けた飛行隊。攻めの安全と日本を護(まも)るためのさらなる活躍を願うばかりです。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報1月28日付PDF


This article is a sponsored article by
''.