<北海道>北千歳駐(司令・香川陸将補)は11月16日、初冬の恒例行事である駐屯地内慰霊碑周辺の樹木の冬囲いをOB会の協力を得て行った。
 
熟練の技、習得

 行事は、積雪による木々の損傷や変形を防ぐため、添え木や縄などで補強を行うことを目的として、駐屯地OB会(岡昭雄会長)の8人が協力し、隊員3人が参加して実施した。

画像: 手際よく冬囲いを実施するOB会員

手際よく冬囲いを実施するOB会員

画像: 完成した冬囲い

完成した冬囲い

 隊員は、樹木に応じた補強の仕方など、OBの熟練の技を習得し、冬の準備を整えた。

画像: 協力していただいた北千歳駐屯地OB会員

協力していただいた北千歳駐屯地OB会員


◆関連リンク
陸上自衛隊 北千歳駐屯地
https://www.mod.go.jp/gsdf/nae/1ab/

<編集部より>

 桜の開花などの植物もの、毎年恒例の地域の夏祭り、紅葉前線、そして冬といえば初冠雪や初霜などなど、新聞ではこうした季節を知らせる話題を記事にする際、「えときもの」として扱います。えときは記事に添える写真の説明文のこと。つまりは、写真を大きく紹介するなどした方が記事の趣旨をより反映させることができる手法の一つです。

 自然現象だけでなく、実際に動きが伴う行事も多くあります。読者にはまず写真を見てもらい、「その季節が来たんだ…」と思っていただくことが、編集者としての喜びでもあり、責務とも思っているのです。

 今年も北千歳駐屯地から初冬のえときものが寄せられました。防衛日報の本日(12月10日付2面)で紹介する駐屯地内にある慰霊碑周辺の樹木の「冬囲い」です。北海道ならではのたよりです。積雪による木々の損傷や変形を防ぐため、植え木や縄などで補強する作業です。習熟した駐屯地OB会の指導よろしく、現役隊員3人も奮闘しました。

 幹や枝が折れたり、枝抜けの防止のほか、冬の乾寒風からの幹や枝、花芽などの保護もあれば、耐寒性の低い植物の保護ということも積雪が冬の日常である地域にとっては欠かせない準備です。ましてや、北千歳駐の場合は慰霊碑周辺です。駐屯地を見守ってくれる場であり、隊員たちが手を合わせる厳粛な場でもあります。冬の準備をするには不可欠な場所なのです。

 その出来栄えは「before after」として2枚の写真を使って紹介しました。「作業はしたというけれど、最後はどうなったの」という読者の素朴な疑問に応えることもまた、新聞編集には欠かせないもの。少しでも分かりやすい紙面を目指し、記事で見せるか写真で見せるかを考えながら紙面作成に臨んでいきたいと思っています。

 北海道だけでなく、世界有数の豪雪地帯である日本の「雪国」は各地に存在します。資料などを見ると、冬囲いが樹木(主に庭木)を積雪や冷気から保護することを目的に、藁(わら)などを使って囲んだり、幹を支えたりする作業とすれば、類義語で「雪囲い」があり、こちらは主に建物など、より広範囲に行うものをいうようです。

 冬の足音が近づく中、札幌市の大通公園では11月、雪の重みから樹木を守る「冬囲い」の作業が始まったというニュースがありました。植えられているライラックやバラなど約2300株の枝が雪の重みで折れないよう、手際よく縄を巻き付けたり、むしろで覆ったりしたということです。

 地域によって、冬のたよりは千差万別です。今年は長く暑い日々が続き、秋を一気に飛び越えて冬に突入。そんな珍しい季節といえました。そして、初冬から真冬、厳冬…と移り、今度は雪おろしや雪かきなど、自衛隊のボランティア活動の報告も雪国から寄せられることでしょう。本日の報告はその「第1弾」といえるかもしれません。

 厳しい寒さ、積雪が続く北海道の自衛隊。第2弾、第3弾の報告をお待ちしています。

他記事は防衛日報PDF版をご覧ください。

→防衛日報12月10日付PDF


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