「令和6年度自衛隊音楽まつり」が11月14日から16日の間、日本武道館(東京都千代田区)で開催された。今回は「音 そこにある共鳴」をテーマに、陸海空自衛隊音楽隊をはじめ、今年で16回目の共演となる在日米軍、ゲストバンドのヨルダン軍軍楽隊など約600人が演奏・演技を披露した。自衛隊音楽まつりは、毎年11月ごろに行われる自衛隊最大の音楽イベント。今回で58回目を迎え、3日間で約2万5000人が訪れた。
音楽まつりは、国旗入場、国歌斉唱などのオープニングセレモニーや陸海空自音楽隊による演奏でスタートした。
「共鳴への期待」と題した第1章では、陸自東北方面音楽隊や空自航空中央音楽隊、海自東京音楽隊がそれぞれ持ち味を生かした音色を響かせ、とくに空音は幅広い世代に人気のキャラクターにちなんだ「機動戦士ガンダムUCより『ガンダムユニコーン』」などを披露、会場を沸かせた。
また、今年が日本-ヨルダンの外交関係樹立70周年にあたり、初めて参加したヨルダン軍軍楽隊は金管楽器、木管楽器、打楽器、パグパイプなどさまざまな楽器を駆使して花を添えた。ヨルダンは10月、レバノン情勢の悪化で同国の邦人らの輸送を行う際、空自輸送機の待機を受け入れてもらっていた。
続く第2章のテーマは「共鳴の持つチカラ」。防衛大学校儀仗隊が溌剌(はつらつ)とした動きで「ファンシードリル」を披露すれば、米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊は映画「ロッキー」、陸自中央音楽隊、302保安警務中隊が「GODZILLA」など、有名な作品にちなんだ楽曲で観客を楽しませた。
さらに、第3章では「魂の共鳴」と題し、美しく華やかな歌声が会場いっぱいに響いた。陸自中音の鶫(つぐみ)3陸曹、海自東音の三宅2海曹、空自中音の清水1空士の「歌姫そろい踏み」による「糸」の熱唱に酔いしれた。
また、「北海自衛太鼓」など11の自衛太鼓が一堂に集まり、迫力あるバチさばきを披露した。
最後はすべての出演部隊による演奏。「栄光の架橋」「ケセラセラ」「サークル・オブ・ライフ」が次々と披露され、会場が一体感に包まれた。
会場には中谷元防衛大臣らが訪れ、開催前のあいさつで中谷氏は「テーマは音と音だけでなく、人と人との共鳴も披露したいという思いを込めた。日本、ヨルダン、米国という異なる地域の音色の共鳴を楽しみ、音楽の魅力は万国共通のものであることを感じてください」などと述べた。
「自衛隊音楽まつり」は、防衛日報社が運営するデジタル版「防衛日報デジタル」でも紹介しています。