「令和6年度自衛隊記念日における防衛省・自衛隊70周年記念観閲式」が11月9日、陸自朝霞訓練場(埼玉県新座市など)で行われた。自衛隊最高指揮官で観閲官の石破茂首相は訓示で、トランプ次期米大統領との首脳会談を念頭に、「日米同盟のさらなる強化にともに取り組んでいきたい」と述べた。
観閲式には、中谷元 防衛大臣、吉田統幕長ら4幕僚長など防衛省・自衛隊の幹部のほか、観閲部隊として自衛官約800人が出席。栄誉礼、国歌独唱、巡閲、観閲行進などが行われたほか、戦車・装甲車約10両、トラックなど約40両、ヘリ5機、固定翼7機(戦闘機含む)などが参加した。
首相は訓示で、日米同盟について「日米外交・安全保障の基軸。インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤だ」とし、トランプ氏と電話会談を行ったことに言及。同盟を新たな高みに引き上げるために協力することを確認したことを明らかにした。
また、敵のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」など、令和4年12月に閣議決定された安全保障関連の3文書に基づく防衛力の抜本的強化について、「着実に実現していく」と述べたほか、中国とロシア軍機による領空侵犯について「まったく受け入れることはできない」と非難した。
さらに、自衛官の処遇改善について政府が関係閣僚会議を開催して進めていることに触れ、「自衛官が国防という極めて枢要な任務に誇りと名誉を持って専念できるよう、万全の体制を構築することが必要だ」と強調した。
観閲式後は部隊の視察などを行った。
観閲式は例年、陸海空自衛隊がそれぞれ持ち回りで開催しており、今年度は陸自で3年ぶりに実施。自衛隊が1954年(昭和29)に発足して70周年にあたる年であることから、防衛省・自衛隊全体の行事として、陸海空自衛隊による観閲行進を実施するとともに、記念の午餐会が行われた。