防衛日報デジタル新コンテンツ『防災~明日を考える~』がスタートいたします。
「防災~明日を考える~」は、日頃からの防災意識を高めてもらい、いざという時のための役立つ情報発信の場として立ち上げました。
防災には、「自助・共助・公助」があり、みなさんも耳にしたことがあると思います。自助は自分自身、共助は地域で、公助は国(公的機関)が行うものです。防衛日報社では特に“自助”に焦点をあて、防災アイテムや防災に携わる企業を紹介するとともに、実際に防災に取り組まれている個人、団体のみなさまのご意見をコラムとして配信していきます。
まずは、自分自身で備えることから始めてみませんか?
今回、新コンテンツ「防災~明日を考える~」をスタートするにあたり、心強い方々とタッグを組むこととなりました。
![画像: アスプラウト株式会社代表取締役 喜多村建代さん](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/48b317d84d4fe5662fbc60a926a131cdc2d37388_xlarge.jpg)
アスプラウト株式会社代表取締役
喜多村建代さん
アスプラウト株式会社代表取締役でもあり「Re防災project」を立ち上げる喜多村建代さんです。2024年1月1日に発生した能登半島地震では、自らもフラスコオンラインEXPO危機対策&アウトドア総合展のメンバーとともに被災地入りし、情報収集や物資提供などを行った喜多村さん。テレビなどでは発信されていない(されにくい)事も多く、必要な物が必要な人へ行き届いていない事態や、女性だからこそ気付いたことも大変多かったそうです。
コラムでは、喜多村さんはじめメンバーの方々に実際に見て感じたことから今後に生かすべきことなどをテーマごとに連載として紹介していただきます。
初回は、アスプラウト株式会社代表取締役の喜多村建代さんから防災への思い、「Re防災」を立ち上げた経緯をまとめていただきました。
それでは、「防災~明日を考える~」スタートです。
![画像2: 防災 ~明日を考える~「Re防災project」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/23/a12b8bf42c76b2d03c4672c1c036a620326ec646_xlarge.jpg)
自分の命は自分で守る!
2024年元旦16時10分頃、皆が新年を祝い、家族や親戚、友達たちと新たな年を楽しく過ごしている最中に、石川県能登半島で震度7を観測する地震が発生。
![画像1: 喜多村さん提供](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/04985844555449b84f326d267f4b36ba44e1c258_xlarge.jpg)
喜多村さん提供
![画像2: 喜多村さん提供](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/595e49914d9533c0d5fd5d36a9e54ffc36635d4d_xlarge.jpg)
喜多村さん提供
「まさか新年にこんなことが起こるなんて!」と、誰も想像しなかっただろうが、自然災害は人間の都合など関係なく襲ってくる。
特に地震は予測不可能で、もしかしたら「今」起こるかもしれない…日本はそれだけ多くのプレートを抱えた島国なのである。
![画像3: 喜多村さん提供](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/3ed73d687216df306d4fcaa0b49b6de658cbdd04_xlarge.jpg)
喜多村さん提供
今震災が起きたら、あなたの命は誰が守ってくれるのか?…そう、自分の命は自分で守るしかないとその時気付かされ、更に自分の命が守られなければ家族の命さえも守れない事に気付かされる。
もちろん自分の命が守られても家族の命が助かる保証はない。が、消防や自衛隊が救える命はそれよりもっと僅かな可能性となる。
なぜなら彼らの数は被災者に比べ圧倒的に少なく、現地に辿り着くまでに時間を要するなど、すぐに対処できるわけではない。まずは「自分の命は自分で守る!」この意識を持たなくてはならない。
おごりからくる人災
特に日本は「何かが起きたら誰かが助けてくれるであろう」と自分の命を誰かに委ねる傾向がある。そのため自身でできる対策は後回しとなり、気付いた時には遅い。行政も、発災後に甚大な被害が出てから応急処置を始め、医療はひっ迫。日常からかけ離れた環境による「災害関連死」も発生…これを毎回繰り返してきた。
![画像4: 喜多村さん提供](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/18/164eae16a8cfa5947c419924f321d82265820d80_xlarge.jpg)
喜多村さん提供
また、さらに被害を大きくしてしまう原因に人災がある事を忘れてはならない。それらは決してわざとではなく、対策を怠ってしまった、考えてこなかった事によるものがほとんどである。
![画像5: 喜多村さん提供](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/18/8e273e4068e02ad1c50ae70c6a9cebfac8ac54a3_xlarge.jpg)
喜多村さん提供
例えば雪害による停滞、盛土による土砂災害、震災時広域火災、家屋やビルの倒壊など、一見どうしようもないように思える事も、適切な事前対策によって被害を最小限に抑えることができる。
特に風水雪害は気象庁が数日前から予測し、「不要不急の外出を控える」など対策を訴えている。にもかかわらず起きてしまう災害はまさしく人災ではないだろうか。
![画像: 災害派遣で除雪作業をする自衛隊(防衛省提供)](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/25ab438ec3a410cbd0a4efc94455dd75adefe601.jpg)
災害派遣で除雪作業をする自衛隊(防衛省提供)
上記、様々な事案は全て「自分は大丈夫」というおごりと、何かあれば消防や自衛隊が助けにに来てくれる「日本の甘やかした体制」から起こってしまう副作用ではないか?と私個人は思うのである。
Re防災の災害対策のブランド化
「災」や「病」など、ネガティブなイメージを感じると後ろ向きになるのは脳の仕組みだから仕方ない。ならこの「災」が入る言葉をポジティブなイメージに変換させ、災害対策に取り組む事が「おしゃれ」「かっこいい」と感じてもらい「取り組みたい」となるよう、「災害対策のブランド化」を考案。
![画像: Re防災ポスター](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/8ebf7959b55078e35e9d1ef5c77f582615e75269_xlarge.jpg)
Re防災ポスター
地震計をモチーフにしたポスターは全6種類(英語タイプを加えると全12種類)。
スタイリッシュなデザインでありながら課題に対して訴えかけるキャッチコピーが加えられている。すべての関係者が同じポスターを使用することにより、「災害対策のブランド化」を確立させ、拡げていく。
Re防災は、時代の変化と共に災害対策をアップデートし続ける「災害対策の日常化」に取り組むプロジェクトで「災害対策のシートベルト化」を目指していく。
今では想像がつかないかもしれないが、1992年以前は一般道でのシートベルト着用が義務化されておらず、着用したほうが命が守られる確率が上がることを知りながら、罰金が発生するまで着用する者は少なかった。今の災害対策と同じである。
ひとりの力はごく僅かだが、関わる者全てにメリットがある仕組みを組み込み、皆を巻き込むことでこの目標「災害対策のシートベルト化」は必ず達成できると確信している。
災害対策のシートベルト化の実現に向けて
「災害対策のシートベルト化」を実現させるためには、『強い地域づくり』が必要である。それには産官学民連携での意識改革と継続的な取組みが必須で、このどこが欠けても強い地域づくりは出来ず、災害弱者は増え続ける一方である。「産官学」が連携し「学民」の強化に繋げ、それが本当の意味での「国土強靭化」となる。
これらの取組みを「Re防災project」とし、2024.3.15より社団法人を立ち上げる。
![画像4: 防災 ~明日を考える~「Re防災project」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783531/rc/2024/02/15/49408ef36ce7c269702a490ca7eee4fe683c5a14_xlarge.jpg)
プロフィール
喜多村 建代
アスプラウト株式会社 代表取締役
一般社団法人住環境創造研究所 企画広報部長
日本防災スキーム株式会社 パートナー
FOEX(フラスコオンラインEXPO)危機対策&アウトドア総合展 リーダー
15年間専業主婦の経験から、主婦目線、母親目線、民間目線と、プロ目線だけでは見落としがちな部分に焦点を置き、同じ志を持つそれぞれのプロフェッショナルとタッグ組んで、あらゆる対策に対しての柔軟で的確なサポートを行う。
感震ブレーカー開発者との出会いから災害対策に関わる事業に加わり、その後会社設立。
震災時火災、停電対策、防災教育などを中心に活動を拡げる。