鹿児島県・屋久島沖で米空軍のCV22オスプレイ墜落事故を巡り、自衛隊制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長は12月7日の定例会見で、南西諸島防衛におけるオスプレイの有用性を説明した上で、「安全を確保することが最優先だ」と語り、飛行再開後の運航体制を強化する考えを示した。
吉田氏は陸上自衛隊のV22オスプレイの飛行再開について「今回の深刻な事故で、米軍機、自衛隊機にせよ安全確保が最優先だ。米軍の情報を確認しつつ、われわれの運航は適切に判断する必要がある」と強調した。
オスプレイの有用性にも触れ、「一般的な輸送ヘリに比べて航続距離が長く、飛行速度も2倍だ。例えば、南西諸島の中央に(オスプレイを)置けば、島全体をカバーできる。部隊を迅速に展開するときにも実効性は高い」とも話した。
米軍がオスプレイの全機種を地上待機としたことに関しては「搭乗員8人の死亡が認定されたという中で、改めて米軍全体として判断して飛行停止したと認識している」とした。
台湾有事への対処や南西防衛の重要性を踏まえ、防衛省は令和7年に陸自のV22オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への配備を予定しており、従来通り計画を進める方針。