政府は11月10日夕の臨時閣議で令和5年度補正予算案を閣議決定した。防衛省関係は総額8130億円を計上。敵地攻撃能力を担う国産の「スタンド・オフ・ミサイル」について1523億円を盛り込んだ。当初は8年度以降の導入時期を見込んでいたが、日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中で、早期の装備を図るための経費として計上した。このほか、自衛隊の災害派遣における対処能力強化などにも予算を充てる。

 5年度補正予算案では、南西諸島の防衛に必要なスタンド・オフ・ミサイルの早期導入に向けた経費を計上。具体的には12式地対艦誘導弾能力向上型や島嶼(しょ)防衛用高速滑空弾を確保する。

 これ加えて、艦船の運用態勢を早期に確保するため624億円を充てる。護衛艦「新型FFM」や最新潜水艦の導入を進める。

 災害派遣の対処能力強化などに1463億円を計上。内訳としては、激甚化・頻発化する自然災害に対応するために人命救助用機材や空中消化剤などの災害対処機材などの整備費に30億円を計上。隊舎・庁舎の耐震化や基地防災対策の費用など計38億円も盛り込んだ。また、木更津駐屯地に暫定配備中の陸上自衛隊オスプレイが移転される佐賀駐屯地や関係施設の整備に1124億円を投じる。

 米軍再編の実施に向け3169億円を充てる。日米同盟の抑止力・対処力の強化するほか、基地地元の負担軽減を図るのが狙い。この中には、米空母艦載機の陸上離着陸訓練を受け入れる馬毛島(鹿児島県)の施設整備費に2684億円、普天間飛行場(沖縄県)の移設費用に338億円も計上されている。


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