防衛装備品の輸出などのルールを定めた「防衛装備移転三原則」とその運用指針の見直しを協議する自民、公明両党のワーキングチーム(WT)が9月6日、国会内で会合を開いた。日本と英国、イタリアが共同開発する次期戦闘機を念頭に、国際共同開発・生産した装備品の輸出の適正管理について議論を交わした。

 政府側は参考事例として、英国、イタリア、ドイツ、スペインの4カ国が共同開発した戦闘機「ユーロファイター」の枠組みを紹介。例えば英国が戦闘機を第三国へ輸出するには全てのパトナー国から事前同意を得ればならない。さらに第三国から「A国」に輸出するケースでは、輸出元である英国の同意が必要となる。

 日本の現行制度では、パトナー国以外の第三国への輸出はできない。こうした中で、政府は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を念頭に「第三国に直接移転できるようにすることが望ましい」との見解を示した。次期戦闘機の輸出に関しては、第三国や、さらにその先の輸出管理が課題となっている。

 WTのメンバーは「政府側からは参考事例の説明があり、課題も示された。だが、政府側の考えが見えてこない」と、継続して議論していく方針だ。

 このほか、運用指針で輸出可能な「救難」「輸送」「機雷」などの5類型も議題に挙がった。政府は5類型について、殺傷能力のある武器搭載は可能との見解を示した。これを受けて、今回の会合では具体的な事例について説明。本来業務や自己防衛に必要な武器として、補給艦と掃海艦には20ミリ機関砲、巡視船は35ミリ機関砲の搭載事例を示した。


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