退職者増を見据え援護充実
地域内定住へ連携の要に
旭川地本(本部長・高田1陸佐)は、自衛官の定年延長に伴う今後の退職者増加を見据え、稚内分屯基地内に道北地域援護センター名寄分室の連絡班(就職援護担当者・越湖准陸尉)を新編し、3月13日から稚内分屯基地、礼文分屯地所在の陸海空自衛官の就職援護業務を開始した。
地元出身の自候生が標札を揮毫
3月20日に実施された稚内連絡班新編行事では、令和5年度航空自衛官候補生として入隊予定の遠藤君自ら揮毫(きごう)した標札が事務室入り口に掲げられ、稚内商工会議所(中田会頭)や退職者雇用企業のほか、稚内分屯基地所在の陸海空部隊長が見守る中、除幕式が行われた。
遠藤君は稚内高校在学中に書道部に在籍し、第16回全国高校生大作書道展では大作優秀賞を獲得するほどの実力の持ち主。今回の揮毫にあたっては「若年定年制あるいは任期制という特殊な人事制度を有する自衛隊に安心して入隊するためには、退職後において個人個人の特性に応じた適職援護が行われていることが大前提。今回の連絡班の標札はぜひ、稚内にゆかりのある方に揮毫してもらいたい」と稚内地域事務所(所長・千嶋2陸尉)からお願いし、快諾を得た。
揮毫に際しては、遠藤君から「失敗できないので緊張したけど、心を込めて書きました。将来、就職援護を受ける際に『この標札は私が書いたものです』と言えることを楽しみにしています」とのコメントがあった。
また、新編行事に参加してもらった中田会頭は「退職自衛官の地域内定住を進めていくことは非常に有益であると認識しており、稚内連絡班の新編を契機として、自衛隊との連携をより一層強化して参りたい」とあいさつした。
旭川地本は「遠藤君たちが国防の任を全うし、再び稚内の地で活躍される日を迎えられるよう、稚内連絡班を要(かなめ)として地域・企業・部隊と連携しつつ、さまざまな形でサポートして参りますとともに、北海道自衛隊退職者雇用協議会や管内所在の商工会議所の方々の意見もいただきながら、適職援護を進めつつ、地域の活力として貢献しうる人材の還元に向けた各種取り組みを推進して参ります」としている。
<編集部より>
全国の地本の業務の大きな柱は2つ。自衛官の募集広報と退職者の再就職支援をする「援護」です。1面では最北・北海道稚内市に所在する航空自衛隊の稚内分屯基地に退職者増を見据え、地域への定住のための援護センターの連絡班が設置された話を取り上げました。旭川地本からのイチ押し報告です。「ぜひ、地元に再就職を!」。そんな強い思いが感じられました。
もう一つのトピックスがありました。連絡班の標札に揮ごうしたのが、稚内高校の生徒で4月から空自の自衛官候補生として入隊した遠藤君というのもいいお話。大きく紹介したいと思いました。「稚内にゆかりのある方に」と地本稚内事務所の依頼だったそうです。ちなみに、全国高校書道展で優秀賞を受賞したほどの腕前です。その「作品」と自衛隊の門をくぐった遠藤君。うまくマッチした内容です。ご覧ください。
このほかには、この時期ものの人事情報を大きく取り上げているほか、新たに本部長に着任した2人のプロフィルを紹介しました。
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