衛生小隊長の資質を涵養|本部管理中隊
○「知識を身に付ける」○
本部管理中隊(中隊長・北守1陸尉)の衛生小隊は3月13日、美幌駐と同訓練場で衛生小隊長に上番した大久保3陸尉の幹部任官、衛生小隊歓迎行事を前衛生小隊長である藤原2陸尉(現在は副中隊長)が企画し、盛大に実施した。
行事は、大久保3尉に対して幹部、普連に所属する衛生科隊員に必要な識能の向上を図り、合わせて幹部自衛官に必要な資質を涵養させるとともに、普連に所属する衛生科の曹士が第一線で実施する行動について体現させ、じ後の指揮に資する指標とさせるとともに、衛生科精神「仁」の心を習得させるのが目的。
午後2時45分、中隊の終礼時に大久保3尉に対し、突然の非常呼集がかかり、藤原2尉が「武装工作員が美幌訓練場に侵入し、中隊訓練実施中の隊員1人が行方不明である。直ちに必要な衛生物品、陸曹1名および陸士1名の隊員を掌握し、行方不明隊員を捜索せよ」との状況を付与した。
大久保3尉は、2人の隊員に命令下達を実施し、速やかな現場進出を図った。
続いて駐屯地内を担架(直棒式)携行による駆け足をした後、そのまま訓練場に前進した。
訓練場入り口を通過した途端、指揮していた隊員1人が心肺停止となる状況が発生。大久保3尉は心肺蘇生法で適切に対応し、隊員1人を救出した。
引き続き担架組の指揮を取りながら前進すると、武装工作員(格闘指導官)2人と遭遇。降伏すると見せかけて抵抗し、近接戦闘が開始、大久保3尉は不撓不屈(ふとうふくつ)の精神でこの武装工作員を見事撃破した。
撃破後は塹壕内で敵の射撃により負傷し、冬季の寒さに震えている隊員1人を発見。隊員に対し、適切な観察から迅速な救急処置を実施するとともに、後送処置のため、同中隊の朝礼場まで担架搬送を行い、朝礼場到着後、申し送りまで実施し、状況を終了した。
最後に大久保3尉から、「まだまだ衛生隊員としての知識は不足しているが、たくさんの知識や技術を身に付け、衛生小隊長として指揮していく」と決意を表明した。
本部管理中隊は「行事を通じて、大久保3尉は、困難な状況においても小隊長として必要な体力・気力、特に『仁愛』を涵養した」としている。
<編集部より>
自衛隊にはさまざまな職種があります。衛生小隊もその一つ。
訓練その他で負傷、行方不明となった隊員などの捜索から搬送、救護までの一連の任務にあたる、いわば「救急隊員」ともいえる重要な存在です。もちろん、武装した工作員などと遭遇した場合は近接戦闘で相手を撃破することも。
2面では美幌駐屯地6普連の各中隊で行われた将来の指揮官となる幹部の任官行事を特集しました。もちろん、本部管理中隊の衛生小隊長として上番した幹部に対するさまざまな一連の訓練の様子を紹介しています。
そのほか、スキー機動や2000メートル走などを実施した中隊も。幹部それぞれの決意や表情、熱き言葉など、美幌駐6普連各中隊の奮闘の報告をどうぞ!
美幌駐6普連各中隊の奮闘の報告、他
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