自衛隊の活動、日頃の備え、レンジャー、ドーラン体験も
【2023年2月1日(水)1面】 京都地本(本部長・岡本1陸佐)京都地区隊(地区隊長・後藤3陸佐)が1月17、19の2日間、府内の2つの高校で防災講話を実施した。生徒たちは、自衛隊の任務や職種、活動から日頃の備えのほか、レンジャーサバイバル術、ロープワーク、ドーランまで幅広く自衛隊を「体験」した。隊員や生徒たちの表情など、両日の様子をまとめて紹介する。
1月17日・洛水高校
京都市伏見区の京都府立洛水高校で2年生113人に対し、防災講話、衛生技術の実技講習を実施した。講話は、同校のキャリア教育として実施した。同校での防災講話は、2年連続2回目。
前半は、後藤地区隊長が自衛隊の任務や職種、活動などについて紹介。特に東日本大震災での人命救助活動映像を上映すると、生徒は真剣なまなざしで視聴し、自衛隊の役割、仕事内容などについて理解を深めた様子だった。
また、「日頃からの備え」と題し、自衛隊の「ファストフォース」「防災訓練の参加状況」、学校からの要望による「防災アプリなどからの情報収集」「学校周辺のハザードマップの状況」「非常用持ち出しバッグ」についても紹介した。
後半は、「身近なものを利用した救命活動」と題し、広報官、募集課女性自衛官が、骨折時の処置・搬送法の実技講習を実施した。身近に起きる不測事故などにも対処できるということもあり、終始熱心に取り組んでいた。
参加した生徒からは「自衛隊の概要がわかって興味を持った」「いざという時のための備えが大事だと思った」「身の回りの物を利用して、けがをした時に役立てたい」など多くの感想が寄せられた。また、教師からは「生徒が防災に対する意識を高めてくれた」「来年度も防災講話を実施してほしい」との希望があった。
1月19日・洛陽総合高校
京都市中京区の洛陽総合高校で1~3年生10人に対し、防災講話を実施した。講話は、同校の生徒が自主的に参加する課外授業で、防災や自衛隊に興味のある生徒が参加した。自衛隊が実施する同校における防災講話は令和3年度から実施しており、今年度3回目の今回は、講話、ロープワーク、自衛隊体験を実施した。
講話は、「レンジャーサバイバル術」と題し、「レンジャー訓練の概要」について地区隊長の体験談を主体に実施した。中でも「生存自活」における生物の調理、「行動訓練」における「水分補給について生徒は関心を持った様子だった。
ロープワークでは、「本結び」「巻結び」「もやい結び」を実施。全員が結索要領をおおむね習得してくれた。「自衛隊体験」では、「制服試着」「ドーラン」を体験してもらうなど、陸海空自の制服を試着し、興味を示してくれた。特に、ドーラン体験では、男子生徒は全員が初めてのメークということもあり、好評だった。
参加した生徒からは、「厳しいレンジャー訓練の様子が分かった」「ロープワークはキャンプで使ってみようと思う」「ドーラン体験は楽しかった」「参加して良かった。もっといろいろと体験したい」など多くの感想が寄せられた。
京都地本のコメント 「防災講話を通じ、生徒の皆さんに災害現場での自衛隊の活動、日頃の備えについて伝えることができた。今後も継続し、一人でも多くの人たちに自衛隊を理解してもらいたい」
市営地下鉄全駅に募集ポスター掲示
京都地本京都地区隊は1月16日から29日の14日間、京都市営地下鉄の全駅31カ所(烏丸線14駅、東西線17駅)で自衛官募集ポスターを掲示し、自衛官候補生の募集を案内した。
取り組みは、学生の街といわれる京都市における大学生・高校生に自衛官募集を周知するのが目的で、多数の学生・生徒が通学に利用する京都市営地下鉄駅構内にポスターを掲示した。京都市交通局の協力を得て、平成27年8月から年間2~3回行っており、今回で19回を数える。
平成29年のイラスト最優秀賞作品を採用
ポスターのデザインは、平成29年に京都地本で実施した「自衛官ポスターデザインコンテスト」でイラスト最優秀賞を受賞した猪貝夏美さんの作品。「誇りを胸に 未来を見つめて!」をテーマとし、力強さとさわやかな印象で好評を得ている。
京都地区隊は「引き続きさまざまな場で広報活動を実施し、府民の皆様に自衛隊に対する理解を深めてもらいたい」としている。
■京都地本 本部長の岡本1陸佐は「着任(令和4年3月17日付)のあいさつ」で、「永い歴史と文化に代表される京都で勤務できることを光栄に思い、『信頼される地本』を目指す」などと述べている。所在地は、京都市中京区西ノ京笠殿町38(ホームページから)。