初の無人偵察機部隊が昨年12月に発足
【2023年1月31日(金)2面】 航空自衛隊は1月23日、昨年12月に新編された無人偵察機の運用部隊「偵察航空隊」を披露する編成完結記念式典を三沢基地(青森県三沢市)で実施したと発表した。式典には、井筒航空幕僚長ら空自幹部や部隊員ら関係者約170人が参加。井筒空幕長による訓示のほか、関係者から祝辞があった。
米国製「グローバルホーク」を運用
偵察航空隊は、米国製の無人偵察機「グローバルホーク」(RQ4B)を運用し、日本から比較的離れた地域での情報収集や事態が緊迫した際における空中での常続的な監視を実施することを任務としている。
NHKなどの報道によると、グローバルホークは、全長約15メートル。36時間連続で飛行でき、高性能の赤外線カメラを使って高度2万メートルの上空から偵察や監視が可能だという。防衛省は2機を調達し、昨年3月、三沢基地に配備した。
空自によると、その後、必要な整備や点検などを行い、警戒監視の任務を行える状況になったとして、機体の運用などを行う偵察航空隊を昨年12月15日に発足。三沢基地で編成完結式が挙行され、航空総隊司令官から偵察航空隊司令に隊旗が授与された。
自衛隊に無人機の運用を専門とする部隊が発足したのは初めてで、約130人の隊員で任務にあたる予定。地上からの遠隔操作で飛行させ、三沢基地を拠点に運用するという。
偵察航空隊の新編は、空自の新たな能力の獲得と、日米の相互運用性のさらなる強化に寄与するものとして期待されている。
空自は「国民の皆様、地元の皆様の理解を得つつ、安全な運用に努め、RQ4Bの運用体制を確立させるとともに、日米の相互運用性をさらに強化し、国民の皆様の安心と安全に寄与してまいります」としている。
■グローバルホーク 情報収集、警戒監視、偵察を任務とする高高度滞空型無人機。グアム島のアンダーセン米空軍基地を拠点に運用されているが、夏季における活動が台風など悪天候の影響で制約を受けているため、米空軍が夏季の安定的な運用が可能な基地を必要としていた。さまざまな観点から総合的に検討した結果、三沢飛行場が選定された(防衛省東北防衛局ホームページから)。