謹んで新年のお慶(よろこ)びを申し上げます。皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと存じ上げます。
現在のわが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさと不確実性を増しています。今年は、昨年末に策定された「国家安全保障戦略」などに基づき、各種取り組みを具現化していく最初の年にあたります。わが国の防衛という使命を果たすべく、自衛隊が一丸となり、各種任務を完遂するとともに、次の3点を重視して取り組んでいきます。
1点目は、わが国の防衛力を抜本的に強化するための「統合運用態勢の強化」です。自衛隊は、平素から陸海空自衛隊を統合的に運用し、平時から有事までのあらゆる各種事態にシームレスに対応し得る態勢を構築するとともに、宇宙・サイバー・電磁波を含む領域横断作戦能力の一層の強化を図っていきます。
また、常設の統合司令部の創設に向けた取り組みを推進するなど、統合運用能力を向上させ、抑止力および対処力を強化していきます。
2点目は、日米同盟強化のための「日米共同作戦能力および相互運用性のさらなる向上」です。自衛隊は、米軍とより実践的な共同訓練や演習を通じ、あらゆるレベルでの連携をさらに強化し、日米共同作戦能力の向上を図っていきます。
3点目は、自由で開かれたインド太平洋ビジョンを実現するための「同志国などとの連携強化」です。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、同盟国のみならず、普遍的価値や安全保障上の利益を共有する同志国と各種防衛協力・交流を推進し、連携を強化していきます。
新たな年を迎えるにあたり、国民の皆様の負託に応えるため、「真に戦える自衛隊」を実現するとともに、使命の完遂に引き続き邁進(まいしん)することをお誓いいたします。
本年も引き続き自衛隊への変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。