【2022年12月22日(木)1面】 元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが性被害を訴えた問題で、防衛省は12月15日、懲戒処分について発表。20代から40代の男性隊員5人を懲戒免職にしたほか、十分な調査を行わなかったとして、五ノ井さんが所属していた中隊の中隊長を停職6カ月の懲戒処分(職務怠慢)とした。
このほか、3陸尉が性的発言で訓戒、指揮監督義務違反で大隊長の2陸佐が注意、連隊長の1陸佐が口頭注意となった。
防衛省によると、五ノ井さんは福島県の郡山駐で所属していた中隊で昨年6月と8月、演習場で訓練中、胸を触られ、脱衣を促されたほか、日常的に抱きつかれるなどした。当初の事情聴取に際し、隊員らは虚偽の供述をするなどしていた。
また、所属中隊のほかの女性隊員に対しても、体型に関する性的発言を行ったりしていた。
一方で、五ノ井さんの様子に異変を感じた部下から、セクハラの可能性について報告を受けた中隊長は、事実関係の調査などを十分に行わず、五ノ井さんから被害の訴えを受けたが、事実関係の調査を行わなかった。
さらに、五ノ井さんが任務を離れることについて、セクハラを受けたことによるためではなく、家庭の事情によることとして、上級部隊長の大隊長の了承を得ていた。