吹奏楽部長の高校生を招待 きっかけは妹の職場体験
【2022年12月8日(木)1面】 兵庫地本柏原地域事務所(所長・早川1陸尉)は11月24日、兵庫県立柏原高校(丹波市)の2年女子生徒の部隊見学について支援した。女子生徒は、同校の吹奏楽部の部長。以前から自衛隊音楽隊への興味はあったものの、自衛隊のコンサートを鑑賞したことがなかったが、5月「トライやる」に参加した妹(中学2年生)から情報を得て、女子生徒を招待する運びとなった。
6月に丹波篠山市が主催する中部方面音楽隊のコンサートの調整中だったため、主催者の了解を得て女子生徒の見学が実現した。
実際にコンサートを鑑賞した女子生徒は、「音楽はすごく高いレベルであるのは当然ですが、規律正しい立ち居振る舞いや、厳しい中にもユーモラスなところもあり、全体の雰囲気自体がとても居心地がよさそうで、とても引き込まれました」とした上で、「できれば、もっと隊員からお話を聞き、将来への選択肢の一つとして準備がしたい」と話していた。
今回の趣旨をくみ取ってもらった中部方面音楽隊の厚意により、隊員との懇談、合奏指導の見学をさせてもらうことができた。
懇談は約1時間にわたって行われた。女子生徒は、事前に考えてきた質問や、逆に隊員からの質問などもあり、終始緊張していたが、音楽や隊員の学生時代の話まで楽しく会話が弾み、「音楽要員として入隊するための具体的な方向性が見つけられました」と喜んでいた。
合奏見学では、その後、実施されるイベント曲を約3時間にわたり、プロの音色、練習方法などについてじっくり鑑賞。時々、指揮者(隊長)から説明を受け、必死にメモをとっていた。
兵庫地本は「引き続き、あらゆる方法で積極的に自衛隊の魅力発信に努めていく」としている。
■トライやる・ウィーク 1995年(平成7)の阪神・淡路大震災、97年(同9)の神戸連続児童殺傷事件をきっかけとして、「心の教育」の重要性が指摘されるようになる中、体験活動を通じ子供たちが自分なりの生き方を見つけられるよう地域社会全体で支援していこうという取り組み。中学生が職場体験、福祉体験、勤労生産活動などを通し、働くことの意義、楽しさを実感したり、社会の一員としての自覚を高めるのがねらい(文部科学省、兵庫県などのホームページから)。