【2022年11月17日(木)2面】
陸自最大規模の実弾射撃競技会に|陸自7師団
師団=31個小隊/他師・旅団=5個小隊がオープン参加
<北海道>陸自7師団(師団長・中村陸将)は10月22日から28日の間、北海道大演習場島松地区(第1戦車射場)で、令和4年度「師団戦車射撃競技会」を実施した。競技会は、7師団の71・72・73戦車連隊と7偵察隊から31個小隊(1個小隊4両)と他師・旅団の2戦車連隊、5戦車大隊から5個小隊がオープン参加し、陸自最大規模の実弾射撃の競技会となった。
「横行行進」「稜線」「躍進」…最高難度の「小隊戦闘」も実施
今年度は、10式戦車と90式戦車を初めて同様の実施要領で競わせ、移動する目標を狙う横行行進射撃や、小高い丘から目標を狙う稜線射撃、4両が一斉に躍進して目標を狙う躍進射撃、戦車に搭載する機関銃による後退行進射撃、ハッチを閉鎖して行う行進射撃からなる最高難度の小隊戦闘射撃を実施した。
競技の結果、各部隊は錬成の成果を十分に発揮。小隊対抗の部では、72戦車連隊5中隊2小隊が優勝した。また、戦車直接支援部隊などの部は、部隊対抗の部で優勝した72戦車連隊を整備支援した7後方支援連隊2整備大隊2戦車直接支援中隊が表彰された。
競技会の間、多数の部外研修者を受け入れ、間近で戦車射撃の迫力を体感してもらった。
7師団は「引き続き『陸上自衛隊唯一の機甲師団』として目的意識と向上心を常に保持しつつ、さらなる高みを目指して日々錬成に邁進(まいしん)していく」としている。
3施設団射撃競技会「群・器材隊の部」念願の初優勝|上富良野駐屯地
<北海道>上富良野駐14施設群(群長・河端1陸佐)は10月8、9の両日、北海道大演習場東千歳地区基本射場と戦闘射場で、令和4年度「第2回3施設団射撃競技会」に参加した。射撃能力の向上を図り、団結の強化、士気の高揚を図るのが目的で、団内各部隊から総員358人の選手が参加した。
14施設群からは、基本射撃55人、応用射撃29人の選手が参加。第1回競技会(7月に実施)と今回の第2回を合計した平均点で順位が決定する。
大会前日の10月7日、上富良野駐で初冠雪を記録した雄大な十勝岳連峰が雲から姿を現す中、群壮行会が行われた。群最先任上級曹長の石井准陸尉は選手のエピソードを交えて、ユーモアあふれる激励を行い、隊員の士気を高揚させた。
競技会1日目、爽やかな秋晴れの中、基本射撃が行われた。第1回で14施設群が暫定1位を獲得し、その後も、錬成を積み重ねて競技会に臨んだものの、3点あった得点差が初日の基本射撃では第2位の13施設群に0.2点差に迫られた。
2日目、雲一つない晴天となり、緊迫した中、応用射撃で最終決戦が行われた。弾倉交換を伴うこの射撃では、5秒以内に弾倉交換できない場合は失格となる厳しい実施規定で選手たちの緊張は頂点に達した。
前日に2位との差が縮まり、追い込まれた状況だったが、14施設群の選手たちは冷静だった。
応用射撃担任中隊である396施設中隊長の吉川1陸尉、監督の坂口3陸曹による徹底的な錬成訓練を積み重ねた結果、全選手が集中して射撃技術を最大限発揮。必死に迫る他部隊を引き離して激戦を制し、念願の「群・器材隊の部 初優勝」を勝ちとり、上富良野と釧路に威風堂々と凱旋(がいせん)した。
14施設群は「今後も射撃能力の向上を図り、団結を強化し、競技会を通じて学んだことを隊務運営に生かし、あらゆる任務に邁進(まいしん)していく」としている。