画像: 防衛産業参入促進展に過去最多の40社参加|防衛装備庁

優れた技術、製品が一堂に

 【2022年11月8日(火)1面】 防衛装備庁は10月27、28の両日、東京・市谷のホテル「グランドヒル市ケ谷」で令和4年度「防衛産業参入促進展」を開催した。展示会は、防衛装備品への活用が可能な技術や製品を有する中小企業が、防衛産業に新規参入する機会を創出するのが目的。平成28年から計18回開催され、今年は過去最多の40社が参加した。

 促進展は、これまで延べ200社の企業が出展。うち13社が契約に至ったほか、複数の商談が進んでいるという。また、今回は、コロナ禍の状況を踏まえ、オンライン形式と並行しての開催となった(オンラインは10月24日から28日まで)。

 この日は、開催のあいさつで防衛装備庁の土本英樹長官が「防衛装備品の製造や整備に優れた製品や技術力を活用することができれば、本当にありがたい」と企業の技術力や製品に期待。続けて「引き続き防衛産業への新規参入の拡大にあたり、防衛生産・技術基盤の維持・強化を図っていきたい」と述べた。

 8月の令和5年度予算の概算要求では、AIを活用した意思決定迅速化の研究や、無人アセット防衛能力の強化などが盛り込まれた。

 宇宙・サイバー・電磁波といった新領域と併せ、これらの対策や能力強化は安全保障の観点からも喫緊の課題となっており、会場でもAIなどの情報技術や、ドローンなどを用いた無人機・自動化技術分野の企業が注目を集めた。

AI、ドローン、サイバー
防衛力強化背景に、注目集まる

 優れた技術や製品を持つ中小企業やベンチャー企業。防衛省・自衛隊や防衛関連企業とのマッチング機会を創出する促進展には、さまざまな企業が自慢の製品を紹介した。

 重量物搭載や長時間飛行が可能な大型ドローンに搭載する、30キロの超小型ガスタービン発電機を開発した「エアロディベロップジャパン」の代表取締役、田邉氏は「(ドローンを活用した)継続的な防衛には電源が不可欠。この『空飛ぶ発電機』は離島防衛にもぴったり」と力を込める。

画像: 展示された30キロの超小型ガスタービン発電機(エアロディベロップジャパン)

展示された30キロの超小型ガスタービン発電機(エアロディベロップジャパン)

 また、「エアロジーラボ」では、発電機とバッテリーによるハイブリッド型ドローンを開発。現在主流のバッテリー電源タイプの飛行時間は10分~20分のものが多く、長くても40分。これに対し、同社は「ガソリンエンジンで発電するため、最大140分の飛行が可能」(取締役・漆畑氏)と自信をのぞかせる。充電にかかる時間やバッテリーの劣化などコスト面などからもメリットは大きいという。

画像: 発電機とバッテリーによるハイブリッド型ドローンを映像で紹介(エアロジーラボ)

発電機とバッテリーによるハイブリッド型ドローンを映像で紹介(エアロジーラボ)

 AIによる画像解析などを行う「リッジアイ」は、衛星データから見える変化をAIによって自動で抽出できる技術をPR。「自然災害発生時の実態把握や、意思決定の支援になるような解析が行えれば」(営業部・中野氏)

画像: 衛星データから見える変化をAIによって自動で抽出できる技術を展示(リッジアイ)

衛星データから見える変化をAIによって自動で抽出できる技術を展示(リッジアイ)

 サイバーセキュリティー訓練や教育のサービスを行う「アイロンワークス」では、イスラエル発のAIを活用。リードセールスエンジニアの中山氏は「イスラエルのサイバーセキュリティー特殊部隊出身のエンジニアによる、軍隊レベルで培ってきた教育ノウハウが含まれている」と強調する。

画像: イスラエル発のAIを活用した訓練や教育のサービスを紹介(アイロンワークス)

イスラエル発のAIを活用した訓練や教育のサービスを紹介(アイロンワークス)

 未来を切り開くベンチャーやスタートアップ企業の新たな技術を活用した、防衛産業や技術基盤の維持・強化が期待される。


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