【2022年7月28日(木)1面】 募集活動が本格化した7月。厳しい暑さの中、地本担当者たちのPR活動は続いた。一方で、地本活動の両輪でもある「援護」への取り組みもまた、7月以前から各地で積極的に展開している。就職補導教育、OBによる就職講話、試験対策講座の開設、協力企業に対する部隊見学…。募集とともに、熱が入っている地本の「後方支援」活動をまとめた。
24人に就職補導教育 OBの体験談「参考になった」|香川地本
香川地本(本部長・小田1陸佐)は6月27、28の両日、善通寺駐で任期満了等退職予定隊員を
対象とした令和4年度「就職補導教育」を実施し、24人が参加した。
教育は、職業選択に必要な知識、心構えを習得させることで、再就職活動を円滑にするのが目的。
教育では主に、再就職の心構え、自己分析要領、履歴書の書き方、面接の受け方、予備自衛官制度などを教育するとともに、企業採用担当者による講話、OBによる就職体験談を実施した。
教育に参加した隊員からは、「自己分析をする時間は、とても役に立った。自分の長所・短所が分かってきた」「企業採用担当者による講話では、多種多様な業種を知ることができた。今まで知らなかった業種にも興味が湧いた」「OBによる就職体験談では、実際の民間企業での生の体験が聞けたので、とても参考になった」などの意見があった。
香川地本は「今後も就職補導教育、合同企業説明会を実施しながら、将来に関する相談を積極的に受け入れ、退職予定隊員が円滑に再就職できるよう努めていきたい」としている。
12企業が業種内容を紹介|札幌地本
札幌地本滝川駐援護センター(センター長・坪内1陸尉)は6月15日から17日の3日間、滝川駐で令和5年9月までに任期満了退職を予定している隊員10人に対し、陸士就職補導教育を行った。教育は、再就職に必要な知識を付与するとともに、その準備を推進するのが目的。
当初、坪内センター長が最新の雇用情勢や再就職の流れなどの全般教育を行い、続いて予備自衛官課隊員が予備自衛官等制度について説明し、志願意欲を促した。
また、適職選定や企業の採用試験対策などに関しては、部外講師を招いて実習を交えた講義をするとともに、最終日は、12企業が札幌地本本部からオンラインで業種内容を紹介し、参加隊員にそれぞれの魅力ややりがいを伝えた。
参加した隊員からは、「再就職にあたり、自分が伸ばさなければならない点が見つかった」「普段、意識していなかった業種について知ることができ、視野が広がった」などの再就職に対する意欲的な声が寄せられた。
坪内センター長は、「自衛官としての職務遂行と再就職準備を並行して進める隊員のみなさんを援護センターとして、全力でサポートする」と述べた。
札幌地本は「隊員が再就職準備を不安なく進められるよう、引き続き部隊と連携を図りつつ親身な就職の援助を行っていく」としている。
定年退職予定者6人が対象 教育、講話で不安を解消|長野地本
長野地本(本部長・林1陸佐)は6月13日、第1回定年退職予定隊員2年前教育およびOB就職講話を実施した。
教育は、退職2年前の定年退職予定隊員に対し、人生設計の再考を促し再就職に対する意識改革を図るとともに、OBによる就職講話を実施し、退職準備と再就職の実情を理解させ、不安解消を図るのが目的。参加したのは、松本駐所在部隊に所属する定年退職予定隊員6人。
最初に長野地域援護センター長が再就職の準備、ライフプランの再考、再就職などの規制について教育を行い、収入の減少を見据えて退職後のライフプランを設計する必要があること、自分は何のために再就職するのかを明確にすることについて意識付けを行った。
その後、援護係長が就職調査票の記載要領に関して教育を実施。自己分析は履歴書や職務経歴書につながるため、しっかり書くこと、健康状態は採用選考に大きく影響するため、今から健康管理に気を配る必要があることを説明した。
また、3年前に退職した元自衛官によるОB就職講話を行い、再就職に向けて準備すべきことや、自衛隊と民間企業との違いなどを、自らの体験談を交えながら講話をしてもらった。
午後からは、長野地域援護センター長や援護担当者が個人面談を実施し、再就職の方向性や不安などについての相談を行った。
参加した隊員からは「退職まであと2年しかないことを改めて実感させられた」「この教育で学んだことをライフプランの設計に反映させていきたい」といった意見が聞かれた。
長野地本は「今後も隊員の希望する業種などへ再就職できるように就職援護業務を実施していく」としている。
公務員への再就職希望者に部外講師が就職試験対策講座|山形地本
山形地本(本部長・白石事務官)は7月7日、山形地域援護センター面談室で令和4年度「就職試験対策講座(レッツチャレンジ)」を開設した。講座は、公務員(高卒者対象試験)を希望する令和4年度任期制退職予定隊員に対し、必要な知識を付与して合格への足掛かりを構築させるのが目的で、神町駐所在部隊の対象者2人が参加した。
講座は、学校法人大原学園大原スポーツ公務員専門学校山形校から部外講師を招き、公務員1次試験(教養試験)の傾向と対策を主に行った。参加者は、それぞれ警察や市役所を希望しており、講義に熱心に耳を傾けていた。
参加者からは、「公務員専門学校の講師の講義は、とても役に立った」「1次試験に向け、しっかりと準備する必要性を実感した」などの声が聞かれた。
山形地本は「引き続き就職試験対策講座を開設し、自衛隊以外の公務員を希望する任期制隊員の再就職を支援していく」としている。
協力企業を招き部隊研修|兵庫地本
兵庫地本地域援護センター(センター長・住田3陸佐)は7月5日、桂駐で就職援護広報の一環として援護協力企業の関係者を招き、部隊等研修を開催した。
研修は援護協力企業に自衛隊の活動、自衛官の仕事ぶりを見てもらい、退職自衛官の雇用を促すのが目的。
今回は、コロナ禍の影響で3年ぶりの開催。例年は教育部隊などを研修したが、製造業、運輸業などに自衛隊の真摯(しんし)かつ厳正な補給整備などの活動状況を見てもらいたいとの思いから、9企業17人に、中部方面後方支援隊、関西補給処桂支処の補給整備状況を研修してもらうとともに体験喫食、史料館見学も実施した。
研修に参加した企業からは、「自衛隊の補給・整備・輸送などに係る活動の状況を身近に見ることができ、大変参考になった」「大量の車両や物品を真摯かつ丁寧に整備される姿を拝見し、今後も自衛隊の活動を応援する意義を得た」などの声が聞かれ、有意義な研修となった。