【2022年5月25日(水)2面】 海自14護衛隊(司令・目賀田1海佐、舞鶴)は4月20日、「心理的安全性」に関する研修を主催し、京都府庁で実践されている施策などを学んだ。参加したのは、第8管区海上保安本部職員(羽賀田亨人事課長、山口克也第二人事課長)、4術科学校副校長の長野1海佐、京都地本、舞鶴地方総監部メンタルヘルス担当幹部の小川1海尉をはじめ、護衛艦「ふゆづき」「みょうこう」「あさぎり」の乗組員計16人。
心理的安全性(Psychological Safety)は、1999年に米国の経営学者、エイミー・C・エドモンドソン氏の論文で発表された心理学の概念。「チームメンバーに非難される不安を感じることなく、安心して自身の意見を伝えることができる状態」とされている。
米Google社が、約180のさまざまなチームを2012年から約4年の歳月と多額の費用をかけて分析した結果、成果を上げているチームの特性として心理的安全性が最も重要な要素であることを検証したことで、改めて注目を集めている。
京都府庁には、「府庁働き方改革CFT(Cross Functional Team)」(平成30年度に若手有志職員約50人で結成)が存在し、働き方改革や職場環境、業務の在り方を自分事(ジブンゴト)として考え、提案し、行動するチームであるとされている。
今回、このチームに所属する、文化学術研究都市推進課の籾井隆宏氏と亀岡市役所環境政策課(出向)の橋本皓平氏の2人から、京都府庁が実践する関連施策をはじめ、特に上司と部下の1対1で面談する「1on1ミーティング」の目的や意義、成果などについて説明を受け、心理的安全性を踏まえた風通しの良い職場環境づくりや上司の傾聴に徹する心がけの重要性などについて学ぶことができた。
研修終了後、参加者からは「ほかの組織から学ぶことは、非常に有意義であり、貴重な機会だと思う」「心理的安全性や1on1ミーティングについてさらに研究し、自分の組織でも実践していきたい」といった積極的な感想が多数寄せられた。
研修では、多様な組織が立場にこだわらずに意見交換を行うことができ、心理的安全性の実践の場となった。
そして、より良い組織を作るために、若手職員からベテラン職員までが、気づきや発見を臆することなく発言し、間違いや失敗を恐れずに行動できる職場環境を作ることが大変重要であると実感した。
14護衛隊は「今後も産学官の連携強化なども念頭に、多様な組織のベストプラクティスに学び、組織の一隅を照らすごとく、わずかでも実践していければと考えている」としている。