【2022年5月12日(木)2面】 年度が変わり、師団、旅団などが創設、創隊の周年という節目を迎えた。地域との理解と信頼を築く一般開放は、コロナ禍で思うようには実施できない部隊も。それでも、観閲式や部隊行進、訓練展示、装備品展示など、隊員たちの使命、士気の高揚を図るため、活気に満ちあふれた4月の記念行事を振り返る。
首都防衛の完整を|陸自1師団
<東京>陸自1師団(師団長・兒玉陸将)は4月10日、練馬駐で「第1師団創立60周年・練馬駐屯地創設71周年記念行事」を挙行し、1師団と練馬駐に対する地域住民の理解と信頼を深めるとともに、隊員の使命の自覚と士気の高揚を図った。当日は天候に恵まれ、招待者、師団の協力者や地域住民ら約2300人が駐屯地を訪れた。
式典は、執行者(師団長)と観閲部隊指揮官(副師団長)のリぺリングによる入場から始まり、観閲部隊の人員767人が師団の威容を示した。
式辞で師団長は「わが国周辺の安全保障環境はこの60年間で最も厳しい情勢で、自衛隊の真価が問われる時代。国民の生命・財産を守り抜くため、還暦を迎え、0歳に戻ったように原点に立ち返り、首都防衛の備えを完整させていこう」と訓示した。
また、来場者に対しては、「1師団は最後の最後の砦。ただし、1師団約6000人のみで首都機能を維持することは不可能。警察・消防・海保・地方自治体などの公共機関の皆さんの協力が必要です。電気・ガス・水道・通信・交通・医療などの指定公共機関のライフラインは首都機能の生命線。防衛産業は日本の防衛力そのものです。フル稼働で装備品などの補給・整備をお願いします」などと述べた。
小池百合子都知事は「首都東京、都民・国民の生命と財産を守るため、兒玉師団長の指揮の下、強い責任感と使命感をもって、任務に精励されることを心から期待いたします」と祝辞を述べた。
今回は観閲行進は行わず、各部隊の特性を生かした動的展示と静的展示による部隊紹介を行った。特に注目を浴びたのは、今年度より新編された1偵察戦闘大隊の16式機動戦闘車の迫力ある性能展示で、来場者のどよめきと大きな拍手がわき起こった。
装備品展示では、各種装備品がどのように機能を発揮するかについて、来場者に分かりやすく理解してもらうため、装備品の動的な展示をツアー形式で行った。間近で動く装備品を見て、来場者からは「初めて近くで動いているのを見て感動した。迫力があって格好良い」などの感想があった。
【2面特集記事】
(陸自1師団)首都防衛の完整を
(陸自6師団)創隊60周年「服務を心に刻んで」
(陸自12旅団)創立21周年「現状に満足せず」
(高田駐)創設72周年 精強な部隊を創造