「WPSシンポジウム」に参加 認識共有し日米間で協力

 【2022年4月19日(火)2面】 航空自衛隊は3月23日、横田基地(東京都福生市)で米第5空軍主催の「WPSシンポジウム」に参加した。防衛省、空自における女性の活躍推進などの取り組みを紹介し、現状や課題について参加者間で認識を共有する一方、この分野での今後の日米間協力の推進について有意義な意見交換を行った。

 シンポジウムは、第5空軍の年次行事の1回目で、3月22日から24日の3日間にわたって行われ、空自は同23日の行事への招待を受けた。

 空自によると、WPS(Woman Peace and Security)は2000年に安保理で決議された紛争予防、紛争解決、和平交渉、平和維持活動、平和構築、ガバナンスなどの意思決定のすべての段階における女性の平等な参画や人権保護の推進を求めたもの(安保理決議第1325号、2000年10月31日)。

 この日参加したのは、日本側から空自の航空総隊司令部の福田1空佐、航空戦術教導団の米戸1空曹のほか、統合幕僚僚監部の田中1海曹、海上自衛隊の平川海曹長、米側から空軍3人、陸軍2人、海軍、海兵隊、沿岸警備隊からそれぞれ1人ずつ。

米本土、ハワイからも

 このほか、2008年の米議会で障害分析チームの全軍種への設置が可決され、空軍省に設けられた障害分析チームのうちの1つである「WIT(Woman's Initiative Team)」が米本土から、米インド太平洋地域統合軍(INDOPACOM)のWPS事務局がハワイからそれぞれオンラインで参加した。

画像1: 写真:航空自衛隊ホームページより

写真:航空自衛隊ホームページより

「女性戦力」を強調

 シンポジウムでは、空自の参加者が(1)空自が任務完遂のために「女性の戦力」の強化に取り組んでいること(2)全ての配置を女性自衛官に開放し、さまざまな分野で活躍していること(統合の人道支援活動/災害救援における機長としての参加、NATO本部への女性自衛官の派遣、さまざまな国際会議への参加等)(3)女性のライフイベント(出産・育児など)が発生する年代の離職防止のための取り組み(男性を含む育児休業システム、育児休業などを取得する隊員の代替要員の確保、出産・育児に配慮した夫婦一緒の人事異動、メンター制度・キャリアサポート教育など)-について発表した。

 米側参加者からは、「日本の育児休業取得可能期間は米国に比べて長く、男性が取得できる制度なども充実している。女性の抱える課題は、日米間での共通点も多く、今後連携して取り組める部分もあるとした上で、特に、WPSそのものがまだまだ広く認知されていない現実に対し、各級指揮官らへのインプット、偏見の排除、職場や家族からの理解、協力を得ることが重要であると理解している」などの意見があった。

男性も参加すべき

 一方、米側からは陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊から、それぞれの女性隊員の活躍・登用などに関する取り組みや課題などについて事例を交えながら紹介があった。

 また、米空軍のWIT、INDOPACOMのWPS事務局が活動概要などを説明。WITからは、女性の髪形に関する規則を改訂するための取り組みを例に課題解決プロセスが紹介され、INDOPACOMのWPS事務局からは、WPSシンポジウムの意義などについてブリーフィングがあり、「今後はシンポジウムなどの活動に男性も参加すべきだ」などの発言があった。

 参加した福田1佐は、「日米間の相互理解、信頼関係の深化を図ることができた。日米の各軍種間における女性の連携を深めることは、今後の女性活躍推進のための原動力となるだけでなく、結果として任務遂行上有意義なものになり得ると思う」と述べた。

 また、米戸1曹は「空自の取り組みに対する米軍参加者からの関心も高く、共感を得ることができた。女性米軍人と女性自衛官の間での認識の共有を図ることで相互理解および信頼関係をより一層深めることにつながり、女性活躍を推し進めるものであると確信した」と話した。

 WPSシンポジウムへの参加を受けて、空自は公式ホームページで「引き続き米側と幅広い分野で協力を行ってまいります」とのコメントを発表した。

画像2: 写真:航空自衛隊ホームページより

写真:航空自衛隊ホームページより

参加隊員コメント

励まされ、糧に(航空総隊司令部・福田1空佐)
 「日本の育児休業期間や男性の育児休業取得制度に関心が集まるとともに、出産・育児を経た女性の活躍のためのキャリアデザインについても情報共有がなされた。いまだ、男性と同様のキャリアデザインを追求すると、結婚や出産をあきらめざるを得ない現状があること、女性のみならず多様性に配慮したキャリアデザインが必要であるとの共通認識に至った。海兵隊からの発表で、司令官の言葉として紹介された『家族を大切にする母は、組織においてもより良いリーダーになる』との言葉は印象に残り、励まされるものであり、軍事組織において女性がより活躍できる分野を見いだし、生かしていくための糧になるものだった」

信頼関係深まった(航空戦術教導団・米戸1空曹)
 「昨年のWPSでの空自からの発表に続いて、空自における女性自衛官の活躍に関する強み、弱み、機会、障害となる要因について発信し、共有することができた。空自の取り組みに対する米軍参加者からの関心も高く、共感を得ることができ、活発な意見交換が実施できた。WPSは、女性の平等な参画や人権保護の推進を求めたものとして安保理で決議されたものであるが、女性米軍人と女性自衛官の間での認識の共有を図ることで、相互理解、信頼関係をより一層深めることにつながり、女性活躍を推し進めるものであると確信した」


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