【2022年2月28日(月)2面】 <群馬>陸自12旅団(旅団長・坂本陸将補)は1月29日から2月9日の間、東富士演習場で令和3年度「第2次旅団検閲」を実施した。12特科隊、12後方支援隊および12高射特科中隊に対し、各職種部隊の作戦準備、攻撃準備、攻撃戦闘に至る一連の行動を検し、訓練練度を評価するとともに、その進歩向上を促すのが目的。
検閲では、計画策定から攻撃戦闘における各級指揮官の指揮と幕僚活動、部隊の基本的行動、隊員の基礎動作を主要検閲項目とした。
その上で、12特科隊には敵情の変化に応じた火力運用、装備品などに制約(故障・損耗など)がある中での火力戦闘の継続を、12後支隊には戦況の推移に応じた兵站支援、あらゆる状況下での兵站支援の継続(旅団段列の推進)を、12高射中隊には敵情の変化に応じた対空戦闘、装備品などに制約(故障・損耗など)がある中での対空戦闘の継続など、特性に応じた検閲項目の焦点として検した。
検閲では、夜間における車両行進を皮切りに作戦地域に到着した各部隊は、それぞれの任務を完遂するため行動を開始した。
【12特科隊】改編を控え、旅団特科隊として受閲する最後の検閲に臨み、隊長を核心としてシステムを活用した指揮・幕僚活動により敵に対する有効な火力戦闘を実施。併せて、遊撃、航空攻撃などに臨機応変に対処するとともに、火砲の損耗に際しても速やかな火力運用の修正を行い、同時複数箇所に対する火力要求にも応えた。
【12後方支援隊】隊長を核心として旅団段列の運営をはじめ、患者後送・緊急患者空輸、故障車両の回収・整備、前線部隊への補給品の輸送・交付など、多岐にわたる任務を敵の遊撃活動や航空攻撃などの妨害のある中でも柔軟に継続することを主眼に、戦況の推移に合わせて段列を推進させ、兵站支援を継続した。
【12高射特科中隊】改編を目前に、中隊としては最後となる検閲に臨み、中隊長を核心として偽陣地などの設置や周到な対空偽装による抗堪性に留意した対空戦闘を継続するとともに、射距離外からの航空攻撃に際しても部隊運用を柔軟に修正・変更して対処した。
また、同時複数箇所への航空攻撃にも的確に状況判断し、対空火力運用を修正しつつ対処した。
12旅団は「受閲した3個部隊の練成成果を確認するとともに、今後の部隊練成の資とした。また、コロナ禍でも練成を重ねた受閲部隊は令和3年度の集大成を有終の美で飾った」としている。