【2022年1月28日(金)1面】 日本とフランスの外務・防衛閣僚会合(「2+2」)が1月20日夜、オンライン形式で行われ、日本側から林芳正外務大臣と岸信夫防衛大臣が、フランス側からルドリアン外務大臣とパルリ軍事大臣が出席した。
4大臣は、中国を念頭に国際秩序を損なう一方的な現状変更の試みなどに反対し、安全保障分野での協力を強化していくことで一致。自衛隊とフランス軍の相互訪問の法的な基盤となる「円滑化協定」の締結も視野に、議論を始めることを確認した。
会合で4大臣は、日仏間の安全保障・防衛協力を一層強化するとともに、インド太平洋での協力を一段高いレベルに引き上げることを確認。東シナ海・南シナ海情勢への深刻な懸念を共有し、中国を念頭に、国際秩序を損なう力を背景とした一方的な現状変更の試みや威圧に強く反対した。
また、台湾海峡の平和と安定が重要だという認識を共有し、両岸問題の平和的解決を促すことで一致した。
さらに、北朝鮮による核・ミサイル開発の進展への強い懸念を表明。国連安保理決議完全な履行が不可欠であることを改めて確認し、履行に向けた行動を求めていくことも申し合わせた。
共同声明では、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況へも深い懸念を表明。ウクライナ情勢をめぐり、ロシアに対して、いかなる緊張の高まりも避け、軍事活動の透明性に関する国際的なコミットメントを遵守するよう呼びかけていくことなどでも一致し、合意事項を盛り込んだ。
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岸大臣は1月21日の閣議後会見で日仏「2+2」について触れ、「フランスは、わが国と基本的価値と戦略的利益を共有し、インド太平洋地域に常続的なプレゼンスを有する唯一のEU加盟国。『インド太平洋戦略』の策定や艦艇の派遣、わが国との共同訓練など、近年、同地域での関与を目に見える形で強化しており、これらを高く評価し、歓迎している」と述べた。