【2021年12月8日(水)1面】 群馬地本高崎地域事務所(所長・土屋3陸尉)はこのほど、県立高崎北高校の「総合的学習の時間」の一環として、同校から依頼があった「課題研究」に協力。探求授業を希望した生徒のテーマ「平和」について、海上幕僚監部広報室がリモートによる質疑応答の形で対応した。「理想的な平和とは」「世界平和は存在するか」…。海上自衛官を志す生徒の熱い質問に丁寧に答える隊員。生徒は「平和を仕事にする自衛官になりたい」と、改めて進路への思いを強くした様子だった。
今回の協力は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で、海自へ見学ができない状況を鑑み、リモートインタビューの調整を行い、生徒の要望に対応した。
探求授業を希望したのは、同校2年の新井倫人さん。新井さんは、「平和」をテーマにした理由について、「防衛省・自衛隊は『平和を仕事にする』というチャッチフレーズを掲げている。平和とは個人によって解釈や考え方がさまざまであると思うが、自衛官にとっての平和とは何か」との思いがあり、インタビューして学びたかったからだという。
インタビューは、海幕広報室の福富2海佐が事前に提出していた質問内容に回答する形式で行った。
質問は平和に関する25項目。「あなたの考える理想的な平和とは」「世界平和は存在すると思うか」などの質問に対し、福富2佐は丁寧に、そして真摯(しんし)に回答した。
課題研究のインタビュー終了後、海自に入隊したい新井さんは、凛々(りり)しい制服姿の海上自衛官と話ができたことに感激しながら、海自の仕事についてもさらに多くの質問をした。
インタビューの終了から1カ月。学校の中間発表会で発表した内容とこれからの目標について、新井さんから現在の心境を伝えるメールが届いた。
平和を仕事にする海上自衛官になりたい
「平和について学ぶ中で、海上自衛官になり、平和の一助になりたい。現在、自衛官になる目標を持っているが、なかなかその目標に向けた努力や対策が甘く、至らないところが数多く残っているので、それを克服できるようなスキルやそれにつながるものを身に着けたいと思う。そして、いつか平和を仕事にする海上自衛官になりたい」
群馬地本は「コロナ禍でも、総合的学習などの要望があればリモートなどの非接触で参加することのできる場面を提供し、自衛隊の魅力と活動への理解を深めたい」としている。