【2021年12月2日(木)1面】 令和3年度自衛隊記念日観閲式が11月27日、自衛隊最高指揮官の岸田文雄首相を観閲官に迎え、陸自朝霞駐(東京都練馬区)で行われた。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点などから、規模を大幅に縮小。一般公開はせず、観閲行進も中止した。同駐所在の部隊などから約800人が参加。陸自主催は3年ぶりとなった。
観閲式は自衛隊の創設を記念するとともに、国民に自衛隊に対する理解と信頼を深めてもらうのが目的。岸田首相、岸信夫防衛大臣のほか、防衛省・自衛隊の幹部らが出席した。また、新型コロナウイルス感染予防策として、「3密」の防止を徹底。マスクの着用など飛沫防止対策を講じて実施した。
観閲式に初めて出席した岸田首相は午前10時前、会場に入り、特別儀仗(ぎじょう)隊から栄誉礼を受けた後、観閲部隊を巡閲した。
隊員らへの観閲官訓示では、北朝鮮や中国の動向を踏まえ「わが国を取り巻く安全保障環境はこれまでにないスピードで大きな動きを見せており、国家安全保障戦略や防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定を指示した。いわゆる『敵基地攻撃能力』の保有も含め、あらゆる選択肢を排除せず検討し、必要な防衛力を強化する」と述べた。
一方で、政府軍と反対勢力との戦闘が激しさを増しているアフリカのエチオピアに、外務省と防衛省の調査チームを自衛隊の拠点がある隣国のジブチに派遣したことを明らかにした。
その後、岸田首相は、アフガニスタンからの日本人の退避や自衛隊が運営しているコロナワクチン大規模接種センターで接種任務にあたった隊員、静岡県熱海市での土石流の現場で活動した隊員らの労をねぎらった。
また、災害派遣を想定した装備品などを視察したほか、戦車や機動戦闘車に乗って走行を体験した(首相官邸ホームページから)。
観閲式は、陸海空の3自が持ち回りで開催していたが、2020東京オリンピック・パラリンピックに伴う準備のため、順番が入れ替えられていた。
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観閲式の模様は、インターネットのYouTubeで生配信されたほか、後日アーカイブでも見ることができる。