【2021年10月27日(水)1面】 10月7日夜、首都圏を中心に最大震度5強の強い地震が発生した。地震が頻発し、台風が通り、豪雨災害も度々起きる。さまざまな災害に襲われる日本にあって、「防災」の重要性は増すばかりとなっている。地本でも、防災に関する講話やイベントへ参加するなど、「いざというとき」の対応ができるよう、しっかりとした意識付けをしてもらうため、常に活動を展開している。新潟、京都、埼玉の様子を紹介する。
広報ブースで採用説明も|新潟地本
新潟地本(本部長・大倉1陸佐)広報室は9月23日、新潟市「万代島多目的広場大かま」で実施された新潟県防災コンファレンスで、30普連、空自新潟救難隊の支援を得て募集広報活動を実施した。
イベントは、災害時に自分、家族、身近にいる人を守るため、「災害のこと、日頃からできる防災のこと」を楽しくわかりやすく学ぶことがコンセプト。ゲストには、プロレスラーの蝶野正洋氏が招かれ、救難隊の3.5トントラックの荷台で防災に関するトークショーが行われた。
トークショーでは、自助、共助、公助の観点から防災の必要な心構えなどが語られ、多くの聴講者は、日頃から防災意識を高めておくことの大切さを実感したようだった。
会場では、30普連、新潟救難隊の車両展示のほか、地本広報ブースで自衛隊の活動や採用に係る説明を行うとともに制服試着コーナーを設け、制服を試着して車両の前で撮影を楽しんでもらった。
来場者からは「災害時には日頃からの準備と心構えが必要だと感じた」「災害時で活躍している自衛隊の車両を見ることができて良かった」などの声が上がっていた。
新潟地本は「今後も多くの方に防災意識を持ってもらうとともに、広報イベントを通じて自衛隊の魅力を発信し、機会を生かした募集広報により、志願者の獲得につなげていく」としている。
高校で講話、実技演習|京都地本
京都地本京都地区隊(地区隊長・後藤3陸佐)は10月5日、京都市伏見区の京都府立洛水高校で2年生133人に対し、防災講話と衛生技術の実技講習を実施した。講話は、同校のキャリア教育と熊本県への研修旅行の事前学習として実施したもので、同校での防災講話は初めての実施となる。
授業の前半は、後藤地区隊長が自衛隊の任務や職種、活動などについて紹介。特に東日本大震災での人命救助活動映像を上映すると、生徒は真剣なまなざしで視聴し、自衛隊の役割、仕事内容などについて理解を深めた様子だった。
後半は、「身近なものを利用した救命活動」と題し、広報官と募集課女性隊員が骨折時の処置・搬送法の実技講習を実施した=写真。生徒たちは、身近に起きる不測事故などにも対処できるということもあり、終始熱心に取り組んでいた。
参加した生徒からは「自衛隊の概要が分かって興味を持った」「熊本研修旅行前に熊本地震の概要や自衛隊の災害派遣活動を知ることができてよかった」「身の回りの物を利用し、けがをした時に役立てたい」など多くの感想が寄せられた。
京都地本は「防災講話を通じ、生徒の皆さんに災害現場での自衛隊の活動、日頃の備えについて伝えることができた。今後も継続し、一人でも多くの方々に自衛隊を理解していただきたい」としている。
商業施設で車両展示|埼玉地本
埼玉地本朝霞地域事務所(所長・澤谷3陸佐)は10月2、3の両日、埼玉県越谷市の「越谷レイクタウン」で実施された防災フェスに参加し、高機動車・中型トラックの装備品展示と募集広報用ブースの出展を行った。
緊急事態宣言解除後の最初の週末で、国内最大級のショッピングモールを兼ね備えたレイクタウン施設内での活動だったこともあり、多くの市民らが訪れ、広報官らの説明に耳を傾けている姿が多く見受けられた。また、昨年度と同様、新型コロナウイルス感染予防処置を確行し、来場者が安心して見学などを行えることに万全を期した。
今年度は、地本本部と連携し、ツイッター・インスタグラムでの周知を行ったが、これを契機として来場される人も少なくなかった。また、地本のマスコットである「サイポン(陸)」と「サイポン(空)」も参加したため、子供連れの関心は高く、広報面での効果は大きかった。
さらに、ブース内では、各種受験資格などの説明やパンフレットの配布を行い、併せて、直近の熱海での災害派遣活動を写真で説明。地域住民らに対する自衛隊への関心を持つきっかけや理解促進を図った。
埼玉地本は「今後もあらゆる場面を募集活動の好機と捉え、積極的な働きかけや企画などの創造と実行により、募集基盤の強化などへの努力を継続していく」としている。