【2021年10月22日(金)2面】 防衛省は10月19日、北朝鮮が同日午前10時15分ごろ、同国東部の新浦付近から2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様だと発表した。このうち1発は、朝鮮半島東側の日本海に落下したと推定。落下地点は、日本の排他的経済水域(EEZ)外とみられる。北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものを発射したのが確認されるのは、9月28日以来今年に入り4回目。
防衛省によると、発射された弾道ミサイルのうち1発は、最高速度約50キロ程度を変則軌道で約600キロ程度飛翔したと推定され、潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)の可能性があるという。もう1発の飛翔距離などについては、分析中としている。
防衛省では、政府内や関係機関に対して速やかに情報共有を行った。19日時点で、航空機や船舶からの被害報告などの情報は確認されていない。
また、岸田首相にただちに報告。首相からは、(1)情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して迅速・的確な情報提供を行う(2)航空機、船舶などの安全確認を徹底する(3)不測の事態に備え、万全の態勢をとる―の指示があった。
これを受け、岸防衛大臣は関係幹部会議を開催するなどし、情報収集・警戒監視に万全を期すよう指示した。防衛省は、「国連安保理決議に違反するもので極めて遺憾。わが国と地域の平和と安全を脅かすものであり、強く非難する」としている。
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岸田首相は19日午前、衆院選の遊説先の福島市内で、「北朝鮮が連続してミサイルを発射していることは大変遺憾だ」と語った。首相は、午後から東北地方を回る予定を変更。総理大臣官邸に戻った。
北朝鮮は、9月11日と12日に新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表したほか、15日には、列車から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射し、日本のEEZの内側に落下したと推定されている。