【2021年10月12日(火)2面】 岸信夫防衛大臣は10月5日の閣議後会見で、1回目の改修を終え、改修中の海自護衛艦「いずも」が同3日、四国沖の太平洋上で米海兵隊の支援を得て、米軍の最新鋭ステルス戦闘機「F35B」が発着する試験を実施し、発着艦が可能と確認されたと発表した。
F35Bは、短距離離陸や垂直着陸が可能で、防衛省によると、海自の艦艇にF35Bが発着艦するのは初めて。
試験は、空自のF35B導入に向け、課題の洗い出しが目的で、米軍岩国基地(山口県)に配備されている米海兵隊のF35Bを使用した。
防衛省は、2023年度(令和5)までに空自にF35Bを18機導入する計画で、洋上での防空作戦能力の向上を目指している。同省は、いずも型護衛艦「かが」についても改修を予定している。
岸大臣は会見で、米国の支援を受けた今回の検証作業の実施について、「日米同盟の深化および日米の緊密な協力を示すもの」とし、F35Bがいずもへ発着艦できることが確認されたことで、「日米の相互運用性の向上に資するものであり、日米同盟の抑止力・対処力の強化につながるもの」と評価した。
防衛省は、中国が東・南シナ海から太平洋への海洋進出の動きを強めていることなどを背景に、「今後もいずも型護衛艦の改修を着実に実施し、海空領域における能力の向上を図っていく」などとしている。