9月に入り、新隊員教育の後期教育が仕上げの時期に入った。7月に部隊に配属され、過酷な訓練を上司、先輩の檄(げき)を受けながら必死に食らいつき、同期との深い絆を確かめ合った。すでに修了式を実施した部隊もある。写真企画「精鋭たち」で、終盤の様子を中心に、この3カ月を振り返った。
【2021年10月7日(木)2面】 <長崎>陸自対馬警備隊(隊長・山口1陸佐)は9月8日、対馬駐で新隊員後期教育修了式を実施した。7月1日、同期9人が九州各地の前期教育部隊から希望と不安を抱えて着隊。酷暑の中の厳しい訓練を耐え抜き、全員無事に修了式を迎えることができた。
特に、教育の集大成として9月7日夜8時から8日朝7時にかけて非常呼集に引き続く35キロ行進を行った。完全装備での行進訓練では、対馬特有の急峻な道を9人で励まし合い、一人の脱落者もなく駐屯地に到着。正門で先輩隊員たちのねぎらいの拍手で迎えられ、無事訓練を終了した。
凛(りん)として歩くその雄姿は、3カ月前とは別人のようにたくましく、眼光鋭くまさにヤマネコ隊員(対馬警備隊)の一員となっていた。
その後、疲労困憊(こんぱい)の中行われた修了式で山口隊長は、「教育修了おめでとう。一人前の自衛官となるべく錬磨を重ねた努力に敬意を表するとともに、これから配置される中隊でそれぞれに与えられる職務に『一所』に『懸命』に取り組んでもらいたい」と訓示し、修了式を終えた。
対馬警備隊は「これから新隊員は、それぞれの中隊へ配置となり、新たなスタートを切る。今後の活躍に期待したい」としている。