連続で発生した凶悪事件

2021年8月。当たり前の日常を脅かす事件が発生しました。小田急線刺傷事件です。電車内において男が突然、隠し持っていた牛刀を振り回し、乗客の20歳の女子大生が重傷を負ったほか、合わせて10人が重軽傷を負いました。
さらに加害者の男はサラダ油を床に撒き、ライターで火をつけようとしましたが失敗。
その後、電車内から逃走し同日に逮捕されました。犯行の動機は女性への憎悪、へイトクライムの可能性を指摘されています。

更に数日後、駅構内でも凶悪事件が発生しました。
東京メトロ白金高輪駅で発生した硫酸事件
会社員の男性と女性が顔や足などに火傷をし、病院に搬送されました。被害男性は全治6カ月の重傷。
硫酸は主に工業用途に用いられる強力な脱水作用を持つ強酸性の物質です。
体に付いた場合、皮膚は溶け、衣服はボロボロになる極めて危険な化学品です。
犯行の動機は個人に対する恨みだったそうですが、関係のない人にも被害が出ています。

駅・電車内での対策

ではこのような犯罪に対して鉄道会社は何もしていないのでしょうか?

いいえ、勿論そんなことはありません。ここでは鉄道会社が行なっている各種対策法の一部をご紹介します。

鉄道テロ対策の概要
駅構内・列車内における警戒強化
・警備員による巡回強化
・乗務員による不審手荷物チェック
・運転室の施錠
・監視カメラの設置

各鉄道事業所による優良な取り組み
・車内通報器の設置(電車内)
・不審者検知・追跡システム(駅ホーム)
・防犯ボタン.インターホン設置(駅ホーム)
・お客様危機管理カード配布(駅構内)

新幹線における防犯対策
(東海道新幹線車内殺傷事件等を受けて)
・警備員による警乗
・防犯.護身.医療用具の車内設置
・警察と連携した社員訓練の実施
・事件発生時のアナウンスの充実
・刃物類の持ち込み規制

今回刺傷事件が起きた小田急線車内においても各車両ごとに4台の監視カメラがあったそうです。また硫酸事件では顔認証機能を備えた監視カメラが一部で導入され、犯人逮捕に貢献したとも言われています。

私達がすべき対策・対応法

鉄道会社で防犯対策を講じていても一度事件が起きれば被害者は必ず出てしまう‥では私たちは一体どうすればいいのでしょうか?
ここで元警察官と防犯・危機回避団体理事の両名に対策・対応法をお聞きして来ました。

先ず結論から申し上げると
「無差別的な殺傷事件を事前に防ぐ対策を完璧に講じることは困難。そして全くケガ無く刃物等の凶器に対して素手で対応をするのは不可能という事です」

対策困難な理由として
・発生頻度が高ければ対策にお金をかける事は可能だが、発生頻度の低いものにお金をかける事は難しい。
・現状は利便性との兼ね合いもあり完璧な防犯対策は困難

そして無傷での対応が不可能な理由は
・電車内という密集状態で人と人との距離が極めて近く、逃げられる空間が限定されている。
・車内に身を守れる遮蔽物が無い事。
・刃物と対峙した際は恐怖から何もできない。
などが主な理由として挙げられました。

ただしその様な中で私たちが最大限出来る対策・対応法をお聞きすると

対策法
・乗車中にスマホや本にだけ目を向けないようにする(個人的)
・刃物等危険物の持ち込みを防ぐ(社会的)
・関係者の緊急事態の対応の向上(社会的)

対応法
・犯人から目を離さないで距離を取る(ある程度の空間が必要)。
・車内非常ボタン(SOS)を押す。
・襲われそうになったら物を投げつける。
・すぐに逃げられる様に重い荷物は手放す。

また万が一、硫酸が皮膚に付いたり目に入ってしまった場合は、

・多量の水で15分以上洗い流し、直ぐに医療機関を受診する

これら対策・対応法があなたの命を守ることに繋がります。特に電車内ではスマホを見ている事が多いのではないでしょうか?
スマホだけに集中するのは命を守るうえでNG行動です。ある程度周囲にも意識を向ける事が重要になります。

【命を守る】という意識

犯罪は人災です。
個人や家族そして地域から積極的に事態を想定し、日々防犯対策を実施していく必要があります。
また対策だけでなく、実際に刃物の恐怖や物理的に防げない状態を体験すること、
つまり護身の知識・方法を学ぶ事が重要です。
今だからこそ個人や社会が一体となって命の守り方について考え、行動する事が急務なのです。

引用資料
・鉄道テロ対策/安心への取り組み 
東京メトロ
・鉄道のテロ対策 国土交通省

今回、対策・対応法をお聞きした防犯・危機回避団体はこちら↓
https://kikikaihi.jp

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