【北海道】美幌駐101特科大隊(大隊長・原田2陸佐)は7月13日、美幌町福住にある美幌温水溜池で令和3年度「救命ボート操作訓練」を実施した。訓練は、平成25年から大空消防署と実施しており、湖畔での水害に対する救助態勢、相互連携を深化させる訓練として継続して行われている。
大空町を災害派遣隊区として受け持つ大隊は、網走川、網走湖における水害発生時の行方不明者捜索救助活動の技術向上を図ることを目的に、災害対処訓練として救命ボート操作訓練を毎年実施している。
訓練は、現地における安全教育が行われた後、入水地点に移動。各中隊の練成要員は救命胴衣を装着し、指導陸曹の指揮の下、連携した正確なパドル操作要領を着眼に、行方不明者捜索時の救命ボートの漕艇を実施した。
また、救助者を多く乗せるための漕艇として2人での漕艇要領の検証を行い、あわせて反対岸で要救助者の救助要領も実施。中隊ごと練度向上に励んだ。
始めは慣れない2人での漕艇に戸惑い、蛇行していたボートも時間が経つにつれ徐々に安定し、各中隊漕艇技術の練度を高めた。
7月20日には、女満別湖畔で水難救助訓練を実施した。訓練は、平成25年から大空消防署と実施しており、湖畔での水害に対する救助態勢、相互連携を深化させるのが目的。大隊の隊員25人、大空消防署員9人が参加した。
訓練は、開始式を行った後、装備の説明や安全教育が行われ、「救命ボート操作」「スバリによる行方不明者捜索」「ロープ結索」の3項目について並行して訓練を実施した。
救命ボート操作訓練では、漕艇要領、櫂の取り扱い、行方不明者捜索訓練では、大空消防署が保有する救助用小型艇2艘を使い、消防署員の指導の下、湖面での捜索要領(スバリ曳行)を、ロープ結索訓練では、消防署員が人命救助の際に使用するもやい結びなどの結び方を演練した。
中隊ごと逐次交代し、波のある湖面で流されながらもボート操作の練度向上に努め、各種技能を身に付け、大空消防署員との共同訓練を無事に終了した。
大隊は「訓練を通じて、湖畔での水害事故などに対する即応態勢を再確認し、大空消防署と災害対応能力の連携を強化した」としている。