部隊集合教育「レンジャー」前半「基礎訓練」
【兵庫】伊丹駐36普連(連隊長・伊藤1陸佐)は9月15日から10月19日の間、伊丹駐ほかで「レンジャー」部隊集合教育を実施した。前半は行動訓練に必要な基礎的識能および体力・気力を養成する「基礎訓練」、後半は各種の想定に基づく「行動訓練」に区分され、困難な状況を克服して任務を完遂する能力と精神力を養う。
レンジャー学生はこの1カ月、水路潜入、空路潜入、爆破、生存技術、体力向上運動、毎朝のレンジャー点検(容儀点検)などを体験。後半に待ち構える過酷な状況下での想定訓練(行動訓練)に備え、必要な知識・技能を習得した。
「レンジャー行動訓練」開始式
11月2日、レンジャー訓練隊は伊丹駐で行動訓練開始式を実施した。式は行動訓練の任務に向かう気概と不屈の精神を堅持するための儀式。
状況開始宣言に引き続き、担任官の1中隊長、池田1陸尉が「任務至上主義を要望する。レンジャー隊員に任務不履行や降伏という言葉はない。必ず任務を完遂し、全員で駐屯地に帰還せよ」と檄を飛ばすと、51期レンジャー戦闘隊は背筋を伸ばしていた。
最後にレンジャー旗を掲揚し、全員でレンジャー隊歌を合唱、任務完遂への士気を高めた。
部隊集合教育「レンジャー」後半「行動訓練」
レンジャー訓練隊は11月3日、伊丹駐と宝塚中山山系、長尾山演習場で「レンジャー」第1想定(行動訓練)を実施した。
午前4時25分、主任教官の警笛で51期レンジャー戦闘隊の行動訓練の火ぶたが切られた。担当教官から想定と任務(敵兵站施設の襲撃)が付与され、全員で命令作成の課題に取り組んだ。命令下達、隊容検査を終え、駐屯地を出発。潜入ポイントまで車両機動後、山地潜入を始めた。
学生たちは難所が待ち構える宝塚中山山系を踏破し、長尾山演習場付近の拠点をおおむね時間計画通りに占領した。その後、時間内に数回の偵察を行い、敵情を明らかにした後、戦闘隊長に偵察結果を報告した。
仲間に迎えられ、無事帰還
11月下旬、最終想定を終えた16人の学生は、隊員たちに迎えられ伊丹駐屯地に帰還。連隊長からレンジャー徽章を授与され、晴れてレンジャー隊員の仲間入りを果たした。