「みんなのひろば」は自衛隊員や隊員の家族、自衛隊に協力している方々などの手記をご紹介しています。
機動戦闘車合同射撃訓練に参加して
藤原 愛咲 陸士長(北熊本駐42即応機動連隊 機動戦闘車隊)
8月27日から30日の間、日出生台演習場で実施された42、15両即応機動連隊の機動戦闘車合同射撃訓練に装填手として参加しました。
機動戦闘車は、車長、砲手、操縦手、装填手の4人1チームで各種訓練に臨みます。その中でも実弾射撃訓練は、乗員の協同連携が重要です。私が務める装填手は、105ミリ砲、機関銃などの弾薬を装填するという射撃訓練ではなくてはならない役職です。
今回の射撃訓練では、停止した状態での射撃のみならず、走行しながら砲・機関銃の射撃を行う単車戦闘射撃の射撃要領を実施しました。装填手として1年間部隊で訓練してきましたが、走行しながらの射撃は初めての経験だったので、不安と緊張で夜も眠れませんでした。
そんな時、機動戦闘車の車長から「誰でも初めての射撃は緊張するものだ。その緊張を払拭(ふっしょく)するには何回も射撃予習をし、不安を自信に変えること。機動戦闘車は4人で1両を動かすので、心配になったら何でも聞いてこい」と言われて、射撃予習の時は車長、砲手の動作や息遣いを意識しながら人車一体になれるよう行動するようになりました。機動戦闘車の105ミリ砲弾、機関銃弾一発一発の重みを感じながら、必ず発射させてやると心に誓い射撃予習に臨みました。
走行しながらの射撃は私の想像をはるかに超える振動があり、当初は身体の小さい私は姿勢を維持することもできませんでしたが、練成を重ねるにつれて問題なく装填できるようになりました。
私には一人、女性自衛官の同期がおり、二人で1枠の装填手の座を競ってきました。お互いの悩みを共有し、互いに切磋琢磨せっさたくまし、最終的に私が選出されました。同期の分までしっかりやり遂げようと心に誓いました。
迎えた合同射撃訓練当日、緊張していたものの心に不安はありませんでした。
いつも通り機動戦闘車に乗り込み、全弾を砲手のタイミングに遅れることなく装填し、弾詰まりをすることなく発射することができました。
こうして無事に任務を完遂できたのは、同期をはじめ、練成当初から指導してくれた同じ単車の乗員、上司の方々、心の支えとなった家族の存在があったからです。今後も感謝を忘れることなく、女性自衛官初の機動戦闘車乗員として精一杯努めていきます。
集中野外訓練に参加して
倉 真琴 1陸士(大津駐屯地 第397会計隊大津派遣隊)
現在、397会計隊大津派遣隊で契約係として勤務しています。縁あって新隊員教育を受けた大津駐で引き続き派遣隊の一員として勤務することとなり、早くも1年を迎えようとしています。私のメイン業務は糧食関係の契約。毎日大変ですが、とてもやりがいのある仕事です。
9月22、23の両日、中部方面会計隊としての集中野外訓練が実施され、大津派遣隊も訓練に参加することになりました。日頃の業務とは異なる野外訓練。8月からこの訓練に向けて練成を行って来ましたが、本番ではライナープレートで歩哨の陣地を構築して警戒任務についたり、車両の偽装を行うなど、新隊員教育以来の野外訓練であることに加え、慣れないことばかりでとても苦労しました。
9月末とは思えない容赦ない暑さも重なり、心が折れそうになる場面もありましたが、先輩や上司の励ましで最後までやり遂げることができました。
まだまだ未熟ですが、後輩に指導ができるような先輩になることを目標に成長していきたいと思います。
<防衛日報 2020年11月13日(金)2面>