防衛省・自衛隊に対する国民の期待が高まる一方で、少子・高齢化の波は自衛官の募集環境にも大きな影響を与えており、自衛官不足の解消は喫緊の課題となっている。

少子・高齢化、募集環境に影響

 7月14日の閣議で了承された「令和2年版防衛白書」によると、今年3月31日現在の自衛官の数は22万7442人で、定員(24万7154人)の92・0%。内訳は▽陸自=13万8060人(定員15万777人、充足率91・6%)▽海自=4万2850人(同4万5356人、94・5%)▽空自=4万2828人(同4万6923人、91・3%)▽統合幕僚監部など=3704人(同4098人、90・4%)となっている。

 現在、学校説明会などに加え、全国50カ所の地本が学校関係者の理解と募集相談員などの協力を得ながら、志願者個々のニーズに対応した説明を実施。

 白書では、「自衛隊の任務や役割、職務の内容などを丁寧に説明し、確固とした入隊意思を持つ優秀な人材を募る必要がある」としている。

「広報の役割が重要」河野太郎防衛大臣

 「自衛隊を担っていく新たな人材の確保、育成が大切になっていく。人的基盤の強化をしっかりやっていく必要がある。人材を集めるためにも、自衛隊が日ごろどんなことをやっているのか、という情報を的確に国民に知らせることが重要。広報の役割もますます重要になってくる。今、部隊、駐屯地、基地がツイッターのアカウントを立ち上げて情報の発信をしてくれている。大変よい試みだと思う」(防衛日報1月7日付「年頭の辞」から)。

自衛官採用の現状

 民間企業の勤務経験者など、多様な人材を確保するため、2018年(平成30)に一般曹候補生と自衛官候補生の採用上限年齢を「27歳未満」から「33歳未満」に引き上げた。

 また、有事などの際に所要数を迅速かつ計画的に確保するため、予備自衛官、即応予備自衛官、予備自衛官補の3つの制度を設けている。

 防衛省・自衛隊には自衛官のほか、人事院が行う国家公務員試験などで採用された約2万1000人の事務官、技官、教官などが勤務している。(令和2年版「防衛白書」より)

 <防衛日報 2020年7月30日(木)1面>


◆関連リンク
自衛官募集ホームページ|防衛省・自衛隊
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/

防衛省・防衛白書
https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/


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