エジプト・イスラエル両国の停戦監視する多国籍部隊・監視団(MFO)司令部の交代要員として現地に派遣される隊員2人が6月11日、防衛省内で陸幕長の湯浅悟郎陸将に「出国報告」を行った。2人は湯浅陸幕長に対し、「しっかりと任務にあたってまいります」などと報告した。MFOへの派遣は昨年に続き2回目。
今回派遣されるのは、陸上総隊司令部運用部付の深山(ふかやま)正仁2陸佐と竹田津(たけたつ)佑介3陸佐。6月14日からカイロに赴き、MFOの司令部要員として、約1年の任務にあたる。
2人はエジプト東部・シナイ半島で、昨年4月から任務にあたっている陸上総隊司令部運用部付の桑原直人1陸佐、若杉貴史1陸尉と引き継ぎ作業を行う。
現地では、MFOの停戦監視活動のためにエジプト、イスラエル間の連絡調整や領空通過・滑走路使用許可取得などの調整のほか、エジプト、イスラエル両国の軍事当局間の対話と信頼醸成の促進支援を行うことになっている。桑原1佐と若杉1尉は7月上旬に帰国予定。
湯浅陸幕長は、交代派遣される深山2佐と竹田津3佐に対し、「いろいろ心配なこともあると思うが、しっかりと頑張ってきてほしい」と激励した。
深山2佐は「エジプトの新型コロナウイルス感染症の拡大は予断を許さない状況にあるが、中東の和平のために全力で任務にあたってまいります」と意気込みを述べた。一方、竹田津3佐は「心配なことは何もありません。万全を期して頑張ります」と意欲を示した。
国際連携平和安全活動によるMFO司令部要員は、2019年4月に閣議決定。シナイ半島での国際平和協力業務を目的に日本のほかに米国など12カ国から要員が派遣されている。
◆関連リンク
陸上自衛隊 多国籍部隊・監視団(MFO)司令部要員の着任について
https://www.mod.go.jp/gsdf/news/pko/2019/20190621.html
外務省 多国籍部隊・監視団(MFO)への司令部要員派遣に関する「シナイ半島国際平和協力業務実施計画」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/ipc/page3_002727.html